確定申告をする場合、年末調整は不要でしょうか

年末調整の際、申告書を提出してもらう時に
「確定申告をするので年末調整は行いたくない。行う必要はあるのか?」
と質問してくる従業員が何名かおりました。
確定申告を行う場合は、年末調整は行わなくても良いのでしょうか。

回答

お問い合わせの件につきまして、結論から申し上げますと、確定申告を行うからといって、年末調整を行わなくても良いということにはなりません。

年末調整の申告書を提出してもらっているということは、対象の従業員の方は「扶養控除等異動申告書」を会社に提出しているかと存じます。

扶養控除等異動申告書は所得税についての各種控除を受けるために必要な書類です。会社に勤務している方は、原則として扶養控除等異動申告書を提出する必要がございます。そして会社は提出された扶養控除等異動申告書の内容に基づき、毎月の給与から所得税の徴収を行う義務がございます。

また、会社は扶養控除等異動申告書を提出している人に対し、年末調整を行う義務がございます。
年末調整はその年の最後の給与、または賞与の計算時に行うもので、その年の年収から年間の所得税額を計算し、月々の給与や賞与から徴収していた所得税と比較した上で、これらの清算を行う大切なお手続きとなります。

年末調整と確定申告は、手続きとして行う内容自体は基本的に同じものではございます。また、確定申告でなければ申告できないものもございます。
そのため、確定申告さえ行えば年末調整は行う必要は無いと考える方もいらっしゃいます。

ただ、先に申しましたとおり、会社に勤務している場合、扶養控除等異動申告書の提出および年末調整は、原則として行う必要があるものであるため、確定申告を行うということは、年末調整を行わなくても良い理由にはなりません。

従業員の方には、上記をご説明の上、年末調整は必ず受けて頂くようにご案内下さい。
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公開日: 税務・税法

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