出向先と出向元 休日日数の差分はどう埋める?

この度、弊社社員が関連会社へ出向することとなり、当該従業員より休日の日数について問い合わせがありました。

弊社の年間休日は120日となっておりますが、出向先は年間休日が110日と、年間で10日の差があります。出向従業員に対して、どのような措置を行うことが適切でしょうか。

 

回答

 出向者は、出向先の指揮命令に基づき労務の提供を行うため、出向元と出向先の出向契約に特段の定めがない限り、就業規則のうち、労務提供に関する部分については、出向先の就業規則が適用されます。
 しかしながら、出向先で労働条件が変更となる場合には労働者にとって不利益が発生することとなってしまい、出向元としては不利益を解消するだけの条件を示す必要があります。
具体的な措置としては
 ・増加した労働日数分の賃金を特別な手当として支給する
 ・休日分の有休を付与する
 ・年間で休日数があうように別日で休日を設定する
等が挙げられます。

 逆に、出向先が出向元よりも休日日数が多い場合には賃金を控除してよいかというと、それはできません。出向は事業主都合となる為、事業主の責めに帰す休業に該当し、休業手当の支払い義務が生じることとなります。

 トラブルを避ける上でも、出向後の労働条件については本人の申し出に関わらず、事前に会社側から提示しておくと良いでしょう。
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公開日: 異動・出向・転籍

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