過去分の住宅借入金特別控除の確定申告について

本年も年末調整の時期が近づいてまいりましたが、本年入社した従業員から相談を受けました。

話を聞くと、数年前に住宅を購入したのですが、当時の年末調整時に控除証明書を提出したところ、住宅借入金特別控除は確定申告が必要と言われたそうです。

ところが、その後確定申告を行うのを忘れ今まで何の申告もしないまま現在に至っており、今年になって思い出したのですが、今後どのようにすればよいか教えて欲しいとのことでした。

住宅借入金特別控除自体は年末調整で行えると思うのですが、今まで全く申告をしておらず、過去の申告書類も手元に残っていないそうなので、どのように対応すれば良いか分かりかねております。
対応方法について教えてください。

回答

お問い合わせの件につきまして、相談を受けた従業員の方が当時のご担当者様から言われたように、住宅借入金特別控除は、住宅を取得された初年度については確定申告を行う必要がございます。

その後、税務署様から年末調整用の控除申告書がお手元に届くことにより、初めて年末調整で申告できるようになります。

今回は初年度の確定申告を行っていない状態ですので、まずは最寄りの税務署にて確定申告を行って頂くようにご案内頂下さい。

住宅を購入されてから既に数年が経過しているとのことですが、確定申告は過去5年までは遡って申告することが可能ですので、5年以内にご購入されているのであれば、申告可能な期間全てに対して確定申告を行えます。

実際の申告にあたりましては、以下の書類が必要となります。

①申告年度の源泉徴収票
②金融機関から発行された住宅ローンの年末残高証明書

①につきましては、お手元にお持ちでない場合は、当時お勤めされていた会社様に依頼しお取り寄せ願います。
②につきましては、お手元にお持ちでない場合は、住宅ローンを組まれた金融機関様に依頼すればお取り寄せ頂けるかと存じます。

通常の確定申告は毎年2月半ばから3月半ばに行われますが、過去分の確定申告は随時行うことが可能ですので、最寄りの税務署様にご相談の上、ご都合の良い日程にて確定申告を行ってください。

確定申告が完了すれば、後日従業員様のお手元に年末調整用の控除申告書が届きます。
以降は、年末調整の申告時に税務署様から届いた控除申告書と金融機関様から届いた年末残高証明書を提出頂ければ、年末調整に反映できます。

なお、税務署様から届く控除申告書は毎年届く訳では無く、申告可能な年度分がまとめて届きます。
無くさないように、大切に保管するようにご案内下さい。

住宅借入金特別控除は年末調整の年税額に大きく影響する控除ですが、初年度に確定申告が必要であることを忘れやすく、そもそも確定申告が必要であることを知らなかった、という方も少なからずいらっしゃる控除でもあります。
年末調整時には、新規で住宅を取得された方に対してのご案内を併せて行う等、申告忘れが無いようにご指導いただければ幸いです。
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公開日: 税務・税法

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