育休復帰時に会社を転籍する場合の育児休業給付

従業員が育児休業を期間の途中で終了して4/1から復職することになりましたが、その際住所変更などの事情で元の会社ではなく、同グループ内の別企業所属になって復帰することになりました。育児休業の最終日が退職日になるような形ですが、この場合育児休業給付は最後まで受給できるでしょうか。

回答

回答いたします。
転籍後の会社で雇用保険を取得される場合は前職の退職日までの受給が可能です。

育児休業給付は単位期間(育児休業開始日から1か月ごとに区切られた期間)ごとに受給資格があるかどうかを判定します。そして、その資格の要件に、「支給単位期間の初日から末日まで継続して雇用保険被保険者資格を有していること」という項目があります。お問い合わせの場合、育児休業を途中で終了とのことですので、最後の単位期間内に退職日がある状態になります。転籍先で雇用保険を取得しており、かつ前職側の資格喪失から転籍先で1日も間をあけずに転籍先で雇用保険を取得する場合は支給対象となります。もしそうでない場合、退職日以降の期間について雇用保険の被保険者資格がないため、育児休業給付の要件に該当しないとみなされるため、最後の期間については受給資格がなくなります。
よって、復帰時の雇用条件についてあらかじめ確認しておく必要があります。

なお、転籍先で雇用保険の資格取得を行う場合でも、新しい会社での雇用保険の資格取得が完了してからでなければ、育児休業給付の申請を行うことができません。4月は雇用保険の資格取得申請が集中するため。申請から手続き終了まで時間がかかることが多く、申請から手続き完了まで1か月以上かかる場合もあります。育児休業中の方は普通に勤務している場合より収入が落ちるため、育児休業給付が遅れると生活に影響がある場合があります。お問い合わせのケースであれば、申請手続きが通常より遅延する可能性が高いですので、あらかじめ当該スタッフに振込が遅くなる可能性がある旨伝えておくことで、ご本人の不安を解消できます。
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