昨今の人材育成の対策について

人材育成に関する課題は各社様々ありますが、近年、どのようなことを対策として取っている例がありますか?

回答

各社によって状況(社員の成長状況等)が様々ですので、以下、すべてがマッチするものではありませんが、対策としての一部としてご紹介いたします。

①スキルアップの機会提供:
社員に対して継続的な学習の機会を提供することが重要となり、学習プログラムの導入(内部研修やオンライン学習等)や業務を通じて振り返りに基づく経験学習を促進していくこともポイントとなります。また、知識等については、AIの活用により習得も今後可能性として広がっていくことが見込まれるため、導入検討も必要となります。

②メンタリングとコーチングサポート:
メンタリングやコーチングを通じて、社員が個人の能力を発揮できるようにサポートすることがポイントとなります。また、能力を発揮するためには、メンタルヘルスも重要となり、後述の事項にも関わりますが、メンタルの安定が個々人のパフォーマンスに影響するため、メンタルの安定のためのコーチングアプローチ(認知行動アプローチ)が必要となってきます。さらに、社員個別のキャリアプランや成長のサポートを提供することでモチベーションと能力開発を促進する必要があります。

③フィードバックと評価の改善:
社員の成長支援するためにもフィードバックと評価のプロセスの改善が必要です。定期的なパフォーマンスレビュー(1on1等)や目標設定の機会・プロセスの見直しし、社員の強みや成長領域を明確にして具体的な目標とアクションプランを策定していくことがポイントとなります。また、360度フィードバックやプロジェクトの振り返りなどを通じて社員の成長に対する継続的なフィードバックを提供していくことが必要となります。しかしながら、社員の成長や能力開発において、留意しなければならないのは、カート・フィッシャーの発達理論「ダイナミックスキル理論」の中で言われています「能力の環境依存性」「能力の課題依存性」「能力の変動性」の影響を受けるため、環境整備や課題設定、個人のコンディション(メンタル等含む)への配慮が必要となります。

④イノベーションとクリエイティビティの促進:
変化の激しい現代において、迅速な対応をするために、社員のイノベーション能力とクリエイティビティを育成する必要があります。トレーニングやチーム間、個人間のコラボレーションを促進する取り組みを行い、社員の創造性を引き出す環境を整える必要があります。そのためにも前述のメンタルヘルス、心理的安全性などについても取り組んで基礎作りも必要となります。

⑤ワークライフバランスの支援:
先ほどのメンタルヘルスにも関連しますが、健康とワークライフバランスを支援することも重要となります。フレックス等のフレキシブルな労働時間やリモートワーキングの選択肢を提供して、働き方の柔軟性を高めることにより社員の働きやすさと生産性を向上させます。

⑥トレーニング効果の評価と改善:
導入したトレーニングプログラムの効果を定期的に評価し、改善するサイクルを確立する必要があります。トレーニングプログラムについては、まだまだ、実施後の効果測定ができていないところも多いと思います。トレーニング内容や目的に応じて定期的に測定するために評価やパフォーマンスレビューに組み込んでいく必要があります。それにより参加者への定期的なフィードンバックに繋げ、実際のパフォーマンス指標を活用してトレーニングの効果等(ROI(投資対効果))を評価して、継続的なカリキュラムや教育手法を改善していきます。


以上、一部ですが、このような対策を継続的に実施することによって、現代の人材育成の課題に対処して組織成長と社員の能力開発を促進することができます。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

公開日: 育成・研修・助成金

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑