定年後再雇用時の社会保険・雇用保険手続きは?

この度定年(60歳)を迎える従業員を継続して再雇用することになりました。この場合どのような手続きが必要となるのでしょうか?

回答

社会保険・雇用保険ともに定年後に新たに結ばれる労働契約の内容によって必要な手続きが変わります。
定年退職後1日も間をおかずに、これまでと同様の雇用形態、労働条件の場合で当該従業員の方がご勤務される場合は、手続きは不要です。
また、賃金や勤務時間、勤務日数などが減少し社会保険、雇用保険の加入要件を満たさなくなった場合は退職時と同様に喪失手続きが必要となります。

一方で社会保険、雇用保険を継続して加入する条件を満たしている勤務条件かつ賃金が減額された場合、社会保険については、再雇用された月から、再雇用後の給与に応じて標準報酬額を決定する同日得喪の手続きを実施することができます。
同日得喪手続きは、資格取得届と資格喪失届を管轄の年金事務所または健康保険組合に同時に提出することで実施でき、その際添付書類として「就業規則や退職辞令の写し等の退職したことがわかる書類および継続して再雇用されたことが客観的に判断できる書類(雇用契約書、労働条件通知書等)」または「事業主の証明」が必要になります。

雇用保険については、賃金の減額がある場合、高年齢雇用継続基本給付金の支給要件に該当する可能性があるため、下記の要件に当てはまるか確認の上手続きが必要となります。
・失業保険による基本手当や再就職手当を受給していない
・60歳時点と60歳以降の賃金を比較した際に、75%未満に低下している
・60歳以上65歳未満の一般被保険者である
・被保険者期間が5年以上ある

以上、定年後再雇用時の契約内容と照らし合わせ、必要な手続きを確認した上でご対応いただければと思います。
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公開日: 高齢者雇用・定年

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