年次有給休暇の5日取得義務はどう引き継ぐ?

 子会社の従業員を現在出向で受け入れており、いずれ契約社員として雇用したいと考えております。現在子会社で付与されている有休を引き継ぐことも考えておりますが、有休5日取得義務は弊社が10日付与したタイミングで発生すると認識しており、子会社から引き継いだ有休が10日以上あっても弊社が10日付与してなければ取得義務が発生しないという認識でよいでしょうか。

回答

 原則は、年次有給休暇を従業員に付与した会社に、その会社にてその従業員に付与した休暇についての法的義務は発生するのであり、当然、御社で付与していない休暇について御社の法的義務は発生しないことになります。従って、以前の会社から引き継いだ年次有給休暇についての御社での5日取得義務は発生しないことになります。引き継いだ年次有給休暇はあくまでも以前の子会社から付与されたものであって、御社に入社するのであれば御社の就業規則が適用され、その通りに取り扱うことになります。
 また、御社と子会社にて出向契約を締結していると思いますが、契約上、年次有給休暇の取扱いについての記載があれば、出向期間中、出向が終了時は記載のとおりに扱うことになります。
 ただし、グループ企業間での年次有給休暇に関する取り決めのなかに、10日以上付与された年次有給休暇を引き継いで転籍した従業員について、転籍先にて5日の取得義務を課す、というような内容の規定があれば、当然従うことになります。
 なお、通常の転職者としての扱いであれば、前職のそれは考慮する必要はありませんので、御社が10日以上の年次有給休暇を付与するまでは、5日の取得義務も発生しないことになります。
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