通勤時の交通事故は労災と自賠責保険どちらを優先したらいいですか?

通勤時に交通事故を起こした際の対応についてお教えください。

保険会社より通勤災害申請を求められている者がいます。

事故の状況としては、社員自身が前の車に追突してしまったものです。

労災と自賠責保険どちらを優先したらいいですか?

また、労災申請となると、次年度のメリット料率にも影響が出ますか?

 

回答

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)で補填されるのは、交通事故などで他人を死亡させたり、ケガをさせたりした「人身事故」の場合です。相手への損害賠償に対して保険金が支払われますので、以下に該当する場合は保険金が支払われません。

・運転車自身のケガ
・自動車の修理代
・単独の人身事故(例:電柱に衝突してケガをしたなど)

御社の従業員がわき見運転により追突(過失割合10割)し、ご自身も怪我をされたという状況の場合、ご自身の治療費については自賠責保険では保証がされませんので、保険会社の見解通り、通勤災害の申請となります。

相手にも過失がある場合は、自賠責保険を使うことも可能ではありますが、自賠責保険では、自分の過失割合が7割を超える者に対しては、損害補償が5割~2割の範囲で減額されてしまいます。しかし、労災保険には過失割合による減額はありませんので、やはり通勤災害を使った方が良いこととなります。

なお、相手の急ブレーキであっても、追突は、故意の急ブレーキでなければ、十分な車間距離を取っていなかったという理由で追突した側が過失割合10割とされるのが通常のようです。

また、メリット料率についてですが、通勤災害は事業主の責任はありませんので、影響はありません。
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