労働者がいなくなったら労働保険の廃止をしなくてはならないか?

会社規模10名の会社でしたが、一昨年より業績が悪くなり、昨年度の12月で全員が退職し、労災保険の対象となる労働者が0人となりました。労働者が0人となったのですが、労働保険は廃止して一度清算をしたほうがよろしいのでしょうか。

回答

今後の労働者を雇用する可能性の有無により下記のように対応が異なります。

①今後労働者を雇用する可能性がある場合
労働者が0人となった時点での労働保険の清算はせずに、労働者0人となった年に対応する労働保険年度更新にて、労働者の雇用を見込んだ賃金の総額に対する概算保険料を申告することにより労働保険を継続することができます。
作成方法としては、確定保険料は昨年度4月~12月までの賃金にて保険料算出をします。
概算保険料は、今年度に労働者の雇用を見込んだ賃金の総額にて保険料算出をします。
なお、結果的に今年度に労働者の雇用がなく、翌年度も労働保険を継続したい場合には、毎年概算保険料を見込みの賃金総額で保険料を申告し続けることにより労働保険の継続は可能です。

②労働者を雇用しない場合
事業所で雇用する労働者が0人となり、労働者を雇用する可能性がない場合は、最後の労働者の退職日から起算して50日以内に、確定保険料申告書を提出し保険料の清算を行います。

中長期的な会社方針での労働者の雇用の有無、今後の事務処理の手間も検討した上で、どちらを選択するかご検討ください。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

公開日: 労働保険手続き

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑