年末調整における養老保険の満期保険金の扱いとは

従業員から養老保険の満期保険金が年末調整に含めることになるのかと問い合わせがありました。

弊社ではクラウドシステムで年末調整を行っておりますが、実際、どのように対応することになりますか。

回答

結論としては、養老保険の内容によって扱いが異なります。

■年末調整に含めるケース①
以下の全てに当てはまる場合、競馬や競輪などの払戻金と同様に一時所得として年末調整に含めることになります。
・保険料支払い者と受取人が同一
・保健期間が5年超
・保険金の全額を一度にまとめて受け取った

クラウドシステムではシステムによって入力方法は変わるかと存じますが、概ね給与所得以外の所得として申告することになるかと存じます。
ご参考までに必要と想定される項目と入力内容を記載致します。
・収入金額等:受け取った保険金額
・必要経費:今までに支払った保険料の合計
・所得金額:(受け取った保険金額-今までに支払った保険料の合計-50万円))×1/2
 計算の結果、0円となる場合もあります。
  例:満期保険金:500万円、今までに払い込んだ保険料:420万円
    (500万円-420万円-50万円)×1/2=15万円


■年末調整に含めるケース②
1.以下のすべてに当てはまる場合、雑所得として年末調整に含めることになります。
・保険料支払い者と受取人が同一
・保健期間が5年超
・保険金を毎月や隔月で受けとっている場合

こちらもクラウドシステムによって入力方法は異なるかと存じますが「雑所得」として入力することになります。
ご参考までに必要と想定される内容を記載致します。
・収入金額:年末調整までに受け取った保険金額
・必要経費:年末調整までに受け取った保険金額に対応する支払った保険料


■そのほかのケース
・途中解約などにより保健期間が5年以下の場合:年末調整、確定申告の両方とも不要(手続き不要)
・保険料支払い者と受取人が異なる場合:所得税の年末調整・確定申告ではなく、贈与税として納税


今回は従業員の方から問い合わせがあって年末調整に含める場合があるとわかったケースかと存じますが、従業員側から問い合わせが無ければ年末調整にも確定申告にも含まれなかった可能性はあるかと存じます。
クラウドシステムの従業員側のアンケート機能によって給与所得以外の所得を申告することが紙の申告書よりも明確になっているであろう状況では、給与所得以外として申告する内容の一覧などを予めクラウドシステムのヘルプ機能以外で周知しても良いかもしれません。
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公開日: 税務・税法 賃金

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