労災の休業中にWワークを開始、休業補償給付は継続受給できますか?

アルバイトスタッフで業務中の負傷で休業し、労災保険の休業補償給付を受給している方がいます。今回、当社の業務は立ち仕事がメインなので復帰することはできないが、他社の事務仕事であればできるので、そちらで勤務を開始するとこにしたと連絡がありました。当社は、在籍のままとしていますが、当社から提出している休業補償給付は引き続き受給できるのでしょうか。

回答

他社での業務が可能な場合、休業補償給付は受給できません。

休業補償給付の支給要件は、下記の通りです。
1.業務上の事由又は通勤による負傷や疾病による療養のため
2.労働することができないため
3.賃金をうけていない

2とは、負傷または疾病にかかる直前に従事していた業務をすることができないということではなく、一般に労働することができない場合をいいます。
こちらは医師等の診断をもとに、労働基準監督署が調査をし、要件を満たすかが判断されます。
退職後でも、要件を満たせば、休業補償給付は引き続き受給できます。

また、もともとダブルワークをされている方であれば、いずれかの事業所で勤務可能な場合は、原則、休業補償給付は受給できません。ただし、医師等の診断および労働基準監督署の調査の結果により、副業先などで勤務をして賃金が発生する場合でも、一部休業の扱いとなり休業補償給付の対象となる場合もありますので、よくご相談下さい。

なお、業務外の病気やケガの療養のため休業する時に支給される健康保険の傷病手当金については、健康保険に加入している事業所での業務が可能かどうかによって判断されます。労災保険では休業補償給付を申請する時にダブルワークの場合は他社についても報告をしますが、健康保険で傷病手当金を申請する時は不要です。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

公開日: 労災・安全衛生

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑