高年齢雇用継続給付金の申請内容に誤りがあった場合の対応について

高年齢雇用継続給付金の申請をしているのですが、ある月に支給すべきだった賃金を2か月遅れで支給するという事になりました。また、そのある月については既に高年齢雇用継続給付金の申請をし、決定がおりている状態です。この場合、支払った月で賃金を計上して問題ないのでしょうか。それとも、その分については計上しないでその月の本来の賃金額で申請をすべきでしょうか。

回答

まず、以前に申請をした賃金額が間違っていた(訂正をする必要がある)場合には訂正願をハローワークへ提出します。これは、育児休業給付金の申請なども同様です。また、その際には添付書類として賃金台帳等の添付が必要になります。

上記を確認頂いた上で、質問にございます支払った月で計上してよいのか…という部分についてですが、計上してはいけないという結論になります。そもそも正しい賃金額にて手続きをすることが前提な為、本来その月に発生すべきではない給与(対象期間を発生源としていない給与)を算入してしまうと正しい給付金の計算額になりません。
一例としてお伝えいたしますが、高年齢雇用継続給付の支給要件に「支給対象月中に支払われた賃金が、60歳到達時等の賃金月額の75%未満に低下していること」というものがございます。遡及金額にも寄りますが、もし別の月に算入してしまった所この75%という基準を超えてしまい不支給となる場合もありますし、賃金の低下率に応じて支給率が変わる為本来もらえるはずの金額とはかけ離れた給付額になる場合もございます。
増減が発生しなければよいという事ではなく、上記の事から考えても正しい賃金額で申請をするようになさってください。

最後に、給付金の訂正を行う場合、一度訂正の期間に関わる給付金を全額返金した後に正しい給付金額を支給する場合と、差額を計算し追加支給であればその差額を支給、減額支給であれば差額を徴収するという処理があるようです。これは管轄のハローワーク、また処理内容によってどちらになるかはその時々で変わるものと思われます。
一度全額返金という事になれば被保険者様に対応して頂く事項になりますので予めハローワークへ確認をしたり、ご本人様へ説明をされる事をお勧めいたします。
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公開日: 採用・雇用 高齢者雇用・定年

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