一ヶ月有給休暇を取得する場合に固定残業代を払う必要はあるか

当社の社員の給与には40時間相当の固定残業代が含まれています。

この度、ある社員が1ヶ月間有給休暇を取得することになりました。これまで1.2日の有給休暇取得であれば、特に控除せずそのまま賃金を支払っておりましたが、丸々一ヶ月休みになる場合でも固定残業代に相当する賃金を支給しなければならないのでしょうか。

回答

回答いたします。

有給休暇取得日の賃金支払い方法は、労基法上次の3方法があります。

① 通常勤務と同額の賃金を支払う
② 平均賃金を計算し、その額を支払う
③ 標準報酬月額を基に日割りで支払う(労使協定の締結が必要)

御社の場合、①の方法で計算されているかと思います。これらの方法のいずれを使用するかは会社の任意で決定できますが、就業規則等で予め定めておく必要があり、恣意的に変更することはできません。
加えて、労働基準法第136条には、『使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。』と定められています。
よって、1ヶ月にわたる有給休暇を取得する場合であっても、固定残業代を含めた賃金額を支払う必要があります。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

公開日: 労務管理 有給休暇 賃金

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑