固定額を支給する「賞与」は「報酬」になる?

来年度から賞与の仕組みを変更する予定なのですが、その中で、等級の低い(若手)社員は賞与を4ヵ月固定にしたいと考えております。

しかし、賞与額を”固定”してしまうと予め確定していることになる為、「賞与」ではなく「報酬」となり、割増賃金の算定基礎に含むことになるのではと考えています。

そこで、固定となる基本賞与4ヵ月分+勤務態度を加味する、とした場合、報酬ではなく賞与として扱われ、算定基礎の対象とはならないのでしょうか?

回答

まず、お問い合わせの賞与は、4ヶ月分を年3回以下の回数に分けて支給と前提させていただきます。

結論から申し上げますと、仰るように①「基本賞与4ヵ月分+勤務態度を加味する」という対応で残業代算定基礎にはならないと考えます。
しかし実務的には、 ②「業績が悪い場合は、支給しないこともあり得る」のであれば、結果○ヶ月固定分の支給でもあらかじめ定められているものではないと判断できると考えます。

賞与については通達により、「定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであつて、その支給額が予め確定されてゐないものを云ふこと。定期的に支給され、且その支給額が確定してゐるものは、名称の如何にかゝはらず、これを賞与とはみなさないこと。」と定められており、この点を懸念されていると思います。

今回の様に、基本賞与と評価(変動)賞与という形で賞与を支給するのはよくある方法ではありますが、仰るように等級(評価)の低い社員様については固定部分のみ支給となることも珍しくはありません。
その場合、就業規則、賃金規程等に「業績が悪い場合は、支給しないこともあり得る」旨を定めておくことで、あらかじめ定められたものではないと判断されると考えられます。

①、②のどちらのご対応でも問題はないと考えますので、実態にあわせご判断いただければと思います。
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公開日: 賃金 賞与・退職金

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