定年退職者の賃金登録は義務?

今回、定年退職する者がおります。

弊社では、退職時に希望した者にのみ離職票を作成していますが

60歳時点の賃金登録は法律上の義務なのでしょうか?

ご教示いただきたいと思います。

 

回答

御社では、退職時に希望した方にのみ離職票を作成していますとの事ですが、改正高年齢者雇用安定法により、現在は、定年または継続雇用制度で契約期間を満了した従業員が退職する際、離職証明書の提出が義務付けられています。
60歳以上64歳までの人が雇用される場合、高年齢雇用継続給付の手続きが必要になります。
その際、「60歳時点の賃金と比較して60歳以後の賃金(みなし賃金を含む)が75%未満であること」を証明するため、60歳の時点での「雇用保険被保険者六十歳到達時賃金証明書」を提出しなければなりません。
59歳で退職すると、再就職後は60歳を迎えるため、転職先で「雇用保険被保険者六十歳到達時賃金証明書」を提出することになります。
その時、退職前の賃金支払い状況が分かる「離職票−2」が必要になりますので、本人の希望にかかわらず、59歳以上の退職者には離職証明書を必ず提出しなければなりません。

また、平成16年1月の雇用保険法施行規則の改正により、賃金登録の義務はなくなりました。
しかし、60歳到達後においても、高年齢雇用継続給付の支給要件に該当する場合や被保険者が転職等により支給要件に該当する場合には、
60歳到達時点の事業主に対して、60歳時点にさかのぼって賃金登録のお願いをすることとなります。
このようなことを避けるためにも、被保険者が60歳となった時点において、できるかぎり賃金登録手続きを行うのが望ましいです。
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公開日: 採用・雇用 高齢者雇用・定年

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