60歳代前半の在職老齢年金の支給停止要件について

現在、弊社に63歳の嘱託社員が在籍しております。
この者より、会社から給与が支払われていると年金が減額される
から、それを考慮して給与額を調整して欲しいとの依頼を受けました。

年金の額が減額される要件を教えて下さい。
因みにこの嘱託社員は健康保険・厚生年金保険に加入しており、年金額は
大体120万円位と聞いております。

宜しくお願いします。

回答

その方の年金の支給停止額はその方の基本月額(年金額を12で除して得た額)とその方の総報酬月額相当額(毎月の賃金(標準報酬月額)+1年間の賞与(標準賞与額)を12で除して得た額)で決まります。

停止額は以下の計算式で求めます。

①基本月額+総報酬月額相当額が28万円の場合。
⇒支給停止額は0円(全額支給)

②基本月額が28万円以下で総報酬月額が47万円以下の場合。
⇒支給停止額=(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)×1/2×12

③基本月額が28万円以下で総報酬月額が47万円を超える場合。
⇒支給停止額={(47万円+基本月額-28万円)×1/2+(総報酬月額相当額-47万円)}×12

④基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が47万円以下の場合。
⇒支給停止額=総報酬月額相当額×1/2×12

⑤基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が47万円を超える場合。
⇒支給停止額={47万円×1/2+(総報酬月額相当額-47万円)}×12

例えばその方の年金額が120万円、総報酬月額相当額が28万円(標準報酬月額20万円、標準賞与額96万円(月額8万円))の場合

基本月額=120万円÷12=10万円となり、上記の②に該当致します。

そうしますと支給停止額は、(28万円+10万円-28万円)×1/2×12=600,000円(月額50,000円)。となります。

その方が65歳以上になられた場合はまた別の計算式で支給停止額を求める事になります。
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公開日: 賃金

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