試用期間より早く雇用契約を終了させることは可能?
現在、試用期間を3か月として、雇用契約を締結しているのですが、今回、問題行動のある社員を試用期間を待たずして、退職させることは可能なものなのでしょうか。
なお、この社員については、特に契約期間を定めてはないのですが、今後、入社予定の社員への対応も含め検討をしたいと思っています。
回答
今回のケースについては、まず、契約期間の定めのない社員でることであり、試用期間は定めているものの、原則的には、試用期間途中での雇用契約の終了、試用期間満了による雇用契約の終了については、ともに難しいケースとなります。
試用期間満了に伴う、本採用拒否については、就業規則等にその具体的内容の規程が定められて得いること、また、判例においても、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当な場合にのみ認められるとの見解となりますため、仮に本採用拒否をする場合については、ご本人に対し、「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当な場合」の事由に該当し、本採用拒否として有効となる場合はあります。
労働基準法22条但書4号の規定に「試みの使用期間中のもの」は14日以内であれば、解雇することが出来ると規定されていますが、この「試みの試用期間」については、上記の試用期間と指している意味合いが異なります。
雇い入れ日から14日以内であれば、解雇できるということについても合理的な理由のない解雇を認めることは許されないという見解はありますので、注意が必要となります。
どうしても、試用期間で雇用契約を終了した場合については、試用期間と同期間での有期契約を締結することをお勧めいたします。この場合、採用の観点からは、応募数の減少という影響は受ける可能性はあります。
また、最近では14日での雇用契約を結んではどうかというアドバイスを受けているということを耳にすることがありますが、その対応は妥当ではなく、本来、日雇いなどではない場合の雇用契約の最小単位は1か月以上とされるべきであり、むやみにそれより短い期間での雇用契約の更新の繰り返しは、労働契約法・雇用安定の観点からは反することになりますので、この点からしても注意が必要となります。
試用期間が法的に有効とされるには
雇い入れ時に労働契約書などで試用期間としての雇用契約であること(およびその期間、本採用と労働条件が異なるときはその内容)を明示するとともに、就業規則などで試用期間中の解雇事由を明示しておく必要があります。
試用期間の長さや延長することに制約はあるのか
試用期間の長さは一般的には3ヶ月程度、長くても6ヶ月程度となり、これ以上となると効力に疑問が付くようです(過去の判例では1年の試用期間が無効とされています)。 試用期間の延長については、会社の都合で一方的に行うことはできると考えがちですが、労働者側の同意を得ておくのが無難でしょう。
試用期間は教育期間としての側面も持っている
能力不足等を理由に解雇する場合には、 「うちの仕事に向いていない」といったような漠然とした理由で解雇することはできません。その期間中に適切に教育が行われていることが前提となるため、使用者が当該期間中に、どのような教育を実施したか(研修やフォロー面談など)も問われることになります。
勤務態度や協調性の欠如などを理由とする場合でも、客観的な資料(タイムカードや日報など)を示すことができ、その是正のために使用者が一定の指導を講じたことも資料として残しておく必要があります。
試用期間満了に伴う、本採用拒否については、就業規則等にその具体的内容の規程が定められて得いること、また、判例においても、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当な場合にのみ認められるとの見解となりますため、仮に本採用拒否をする場合については、ご本人に対し、「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当な場合」の事由に該当し、本採用拒否として有効となる場合はあります。
労働基準法22条但書4号の規定に「試みの使用期間中のもの」は14日以内であれば、解雇することが出来ると規定されていますが、この「試みの試用期間」については、上記の試用期間と指している意味合いが異なります。
雇い入れ日から14日以内であれば、解雇できるということについても合理的な理由のない解雇を認めることは許されないという見解はありますので、注意が必要となります。
どうしても、試用期間で雇用契約を終了した場合については、試用期間と同期間での有期契約を締結することをお勧めいたします。この場合、採用の観点からは、応募数の減少という影響は受ける可能性はあります。
また、最近では14日での雇用契約を結んではどうかというアドバイスを受けているということを耳にすることがありますが、その対応は妥当ではなく、本来、日雇いなどではない場合の雇用契約の最小単位は1か月以上とされるべきであり、むやみにそれより短い期間での雇用契約の更新の繰り返しは、労働契約法・雇用安定の観点からは反することになりますので、この点からしても注意が必要となります。
試用期間が法的に有効とされるには
雇い入れ時に労働契約書などで試用期間としての雇用契約であること(およびその期間、本採用と労働条件が異なるときはその内容)を明示するとともに、就業規則などで試用期間中の解雇事由を明示しておく必要があります。
試用期間の長さや延長することに制約はあるのか
試用期間の長さは一般的には3ヶ月程度、長くても6ヶ月程度となり、これ以上となると効力に疑問が付くようです(過去の判例では1年の試用期間が無効とされています)。 試用期間の延長については、会社の都合で一方的に行うことはできると考えがちですが、労働者側の同意を得ておくのが無難でしょう。
試用期間は教育期間としての側面も持っている
能力不足等を理由に解雇する場合には、 「うちの仕事に向いていない」といったような漠然とした理由で解雇することはできません。その期間中に適切に教育が行われていることが前提となるため、使用者が当該期間中に、どのような教育を実施したか(研修やフォロー面談など)も問われることになります。
勤務態度や協調性の欠如などを理由とする場合でも、客観的な資料(タイムカードや日報など)を示すことができ、その是正のために使用者が一定の指導を講じたことも資料として残しておく必要があります。
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