育児休業中って働いてもいいの?就労による給付制限とは

現在育児休業中の社員がいるのですが、臨時的に仕事をしていただくことになりました。

そこで質問です。
(1)現在、育児休業給付金を受給中ですが給付制限とは具体的にどのようなものでしょうか。
(2)通常の雇用契約と業務委託など働き方により給付制限の条件は違いますか。

回答

前提として育児休業は休業をすることが原則であり、その期間の労務提供義務を消滅させる制度ですので、恒常的・定期的に就労をする場合には育児休業をしていることにはなりません。

ただし例外として「臨時的な災害対応としての業務」や「他の従業員では手当てできない業務を行うなどのような場合」などの場合には就労することが可能です。

(1)育児休業給付金の給付制限
支給単位期間に就業する場合、10日かつ80時間を超えると育児休業給付金は支給されません。
また、育児休業給付金が支給される範囲で臨時就業したとしても、支払われた賃金が賃金月額の80%を超えると支給されず、80%以下であっても金額によっては減額支給となります。
〇給付金 給付率67%の場合(育児休業開始から6か月まで)
 ・賃金月額×13%未満→満額支給
 ・13%~80%以内 →減額支給
 ・賃金月額×80%以上→支給なし
〇給付金 給付率50%の場合(育児休業開始から6か月以降)
 ・賃金月額×30%未満→満額支給
 ・13%~80%以内 →減額支給
 ・賃金月額×80%以上→支給なし
 
(2)働き方により給付制限の違い
アルバイト・業務委託等働き方に関わらず、臨時就業した日数、時間、支払われた賃金(報酬)全ての届出が必要で、育児休業給付金の支給の有無・減額に影響します。

また、他社(雇用保険に加入していない会社) で勤務した場合では、アルバイト・業務委託等働き方に関わらず、 臨時就業した日数、時間を本人からの申告によって届出ます。
※ 賃金(報酬)は金額にかかわらず届出の必要はありません。

◆気晴らしや勉強した結果の収入は給付制限の対象外
*株式・不動産投資
*アンケートモニター登録によるポイント獲得
*自分でデザイン・記事を作成しての収入
★会社の就業規則(副業・投資に関する規定)を要確認

◆10日かつ80時間を超えるとは
*10日を超えるだけでは減額対象にならない
*実際には80時間を超えるかが鍵
★あくまでも臨時・一時的な対応なので、現実的には働くことができるとは考えない方が間違いがない
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公開日: 育児介護休業

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