雇用形態による退職金の支給有無の違いは不合理となるのか?

当社では、従業員の福利厚生向上のため、退職金制度を創設することとなりました。

 

現在、当社には正社員、契約社員、パート社員がおりますが、退職金規程の対象となる社員を正社員に限定しようと考えております。

契約社員のうち、同じ部署の正社員と同等の働きぶりの優秀な契約社員がおります。この契約社員の職務内容は、フルタイムで働いている間は正社員と変わりなく、責任範疇は、欠勤となる休みを取っても査定には響かず、過去には本人の都合で週3日勤務の時もあり、そのような働きかたも容認されている点で正社員とは異なると理解しております。

 

すでに給与及び賞与は正社員と同一基準に引き上げておりますが、退職金に関しても同一労働同一賃金の観点から適用しなければならないでしょうか?
なお、この契約社員には、昨年、正社員昇格の提案を会社から行いましたが、本人が「責任が重くなるのはいやだ」、「週の間でも自分の都合で、休みたいときに休める自由度がほしい」と言われ、本人が正社員昇格を拒否し、同じ理由で今回も正社員昇格を本人が拒否した経緯があります。

回答

同一労働同一賃金の観点から、退職金の目的と待遇の違いを設けている理由によりその違いが不合理ではないか判断する必要があります。

退職金は、一般的には長期勤続に対する功労報償的な性格を有すると考えられているため、それを目的とする退職金制度であれば対象を正社員と限定し、契約社員には一切支給しないこととするのは不合理であり、違法だと判断される可能性があります。(メトロコマース事件(東京高裁平31. 2.20 判決))

もちろん、正社員と契約社員には職務内容や責任の程度に違いがあるかと思いますので、退職金の水準について違いがあることは一概に不合理とは言えないでしょう。
質問内容から、欠勤しても査定には響かない自由な働き方が認められている等、正社員と契約社員の違いがあるようですので、退職金の対象を正社員に限定して契約社員には一切支給しないのではなく、正社員とそれ以外の社員の方について退職金の水準を変え、長期勤続の契約社員も退職金の対象とすることを検討してみてはいかがでしょうか。

質問の退職金以外にも、以下の取組手順書に従って不合理な待遇差がないかご検討ください。
厚労省:パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書
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公開日: 退職・再雇用・退職金

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