身元保証書を提出しない新入社員をどのように対応するか

当社では入社書類の1つとして身元保証書を提出してもらっています。

今回入社した社員に、入社前に提出のなかった入社書類の提出を督促したところ、身元保証書について「両親に記載を断られたため提出ができない」と話がありました。「入社書類を提出しない場合は採用を取り消すことがある」とは就業規則に明記しているものの、今回発覚が入社後ですし、特に解雇などは考えておりません。

この場合会社としてはどう対処すべきでしょうか?

回答

多くの会社では身元保証書を入社時の提出書類としているケースが多いですが、身元保証書は主に以下の趣旨・担保で提出を求めるケースが多いです。
①責任を持って仕事をしないと保証人に迷惑がかかるかもしれないという本人への意識付のため
②保証してくれる人がいるということで、身元がきちんとした人だという証明のため
③万が一何か賠償が発生した場合の請求先確認のため

しかし、③については無制限に賠償責任などが保証人にいってしまうと負担が大きいため「身元保証ニ関スル法律」により保証人の責任範囲は条件がつくなど、限定されています。

今回のケースでは入社後に発覚かつ解雇等は考えないということで、その方の入社後の仕事ぶりや仕事の責任範囲などを鑑みて提出不要とするか、決まりは決まりとして引き続き提出を促すかの判断をすることになります。
ただすぐに提出不要としてしまいますと、それが前例となってしまいますのであまり望ましくはありません。
まずは身元保証書の記載にあたっては保証人に賠償責任を絶対に負わせるという趣旨ではなく、上記①②という趣旨が大きいと本人に説明の上、再度ご両親の説得、ご両親がそれでも無理であれば親戚・友人関係含めて保証人を探すように指示するのがよいでしょう。また、保証会社もありますので会社としてそちらの活用でもよい、ということであればそちらへ申し込んで提出をしてもらうことも検討できます。

また、入社後に依頼できる人がいない、というお話をいただくと③はともかく、①②の趣旨すらも達成されなくなりますので、そういったことは入社前に相談すべきと新入社員の方へ指導いただき、会社としても早めの入社書類回収を進めることが重要です。
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公開日: 労務管理 採用・雇用

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