一部休業の場合の休業補償給付について

労災で怪我をして入院した社員がおり、入院中は労災保険の休業補償を申請していました。
現在は退院し職場にも復帰したのですが、引き続き通院が必要とのことで、通院のために半日出社できない場合の取り扱いについて質問です。
この場合、退院はしたものの、労災での通院なので、休業補償は申請できるのでしょうか。

 

回答

休業補償給付を受けるためには、下記の3つの要件を満たす必要があります。

(1)業務上の事由による負傷や疾病により療養のために休業している
(2)労働することができないこと
(3)賃金をうけていないこと

ご質問のように、例えば午前中に通院して午後から出勤した場合は通院のため一部について労働できないことになりますので、上記の支給要件を満たし、休業補償を請求することは可能と言えます。しかし、実際に労働した部分に対して支払われる賃金額に注意が必要です。

一部休業した場合の休業補償給付は労災保険法第14条で「所定労働時間のうちその1部分についてのみ労働する日に係る休業補償給付の額は、給付基礎日額から当該労働者に対して支払われる賃金の額を控除して得た額の100分の60の額」と規定されています。

(給付基礎日額 - 一部の労働で支払われる賃金)×60%

しかし、実際に労働した部分に対して支払われる賃金が給付基礎日額の100分の60を超える場合には上記の「賃金をうけていないこと」の要件を満たしていないと判断されるため不支給となります。

また、怪我の部位の状態が軽作業は可能といった「労務不能」の状態ではないと労基に署に判断された場合は支給されない場合もありますので、管轄の労基署にお問い合わせください。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑