小学校就学前の子を養育する従業員からの長期出張命令拒否について

この度、ある男性社員に長期出張を命じたところ、子供の養育を理由に拒否されました。
この男性社員の状況は以下のとおりです。
勤続5年ほどの正社員であって、家族構成は、妻(3か月ほど後に出産予定)、4歳の子どもで、妻は1か月ほど後より産前産後休暇、その後育児休業予定です。
男性社員は、現在も勤務時間を調整しながら、子供の送り迎えをしています。
また、お互いの両親は遠隔地に在住のため、育児等のサポートを依頼することができない状況です。

上述の状況の中、3か月程の海外出張を命じたところ、妻の産前産後休業期間中の出張については拒否されてしまいました。
会社は、この拒否を受け入れなければならないのでしょうか。

回答

育児介護休業法第19条に「深夜業の制限(小学校就学始期までの子を養育する労働者が申し出た場合は、深夜に労働させてはならないという制度)」がございます。
 この制度については、次の従業員を除いて制度の適用を申請できるとされています。
①日々雇用される従業員
②継続して使用した期間が1年未満の労働者
③深夜に常態としてその子を養育することができる同居の家族がいる労働者
④その他請求できないこととすることについて合理的な理由(週所定労働日数が2日以下、所定労働時間の全部が深夜)があると認められる労働者
 このうち③については、産前産後休業期間中の妻は該当しないとされているため、ご質問の内容からしますと、その男性社員は深夜業の制限の申出ができることになります。

さらに「宿泊を伴う業務の出張も、深夜の就業となり、事業主は、深夜業の制限を受けている労働者に、宿泊を伴う業務上の出張をさせることはできない」という行政通達も出ておりますので、その男性社員は深夜業の制限の申出をすることにより、宿泊を伴う出張命令も拒否できることにもなります。

現時点では「深夜業の制限」の申出が出ていないため、出張命令は出せる状態ではありますが、実質上長期海外出張を拒否してきた時点で深夜業の制限の申出があったとみなすとも考えられますので、今回の件については、本人の申し入れを認めるのが妥当だと考えます。
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SR人事メディア編集部
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公開日: 労務管理 勤怠・休憩時間

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