派遣元への派遣社員の社会保険加入状況確認の必要性について

弊社は複数の派遣社員を受け入れているのですが、派遣元と弊社が派遣契約を結ぶ時に派遣社員の健康保険及び厚生年金の加入状況について加入の有無の選択もないもしくは加入しない場合理由も明示しない派遣元が存在しています。
今のまま、社会保険の加入状況を開示しない及び加入していない場合正当な理由も教えてくれない派遣元と派遣契約を続けた場合弊社は法律違反をしているかもしくは企業イメージに傷がつくリスクなどはありますでしょうか?

回答

ご質問の件につきまして法律等においては、以下のように定められています。

1.派遣先が講ずべき措置に関する指針
 「派遣先は、労働・社会保険に加入する必要がある派遣労働者については、労働・社会保険に加入している派遣労働者(派遣元事業主が新規に雇用した派遣労働者であって、当該派遣先への労働者派遣の開始後速やかに労働・社会保険への加入手続が行われるものを含む。)を受け入れるべきであり、派遣元事業主から派遣労働者が労働・社会保険に加入していない理由の通知を受けた場合において、当該理由が適正でないと考えられる場合には、派遣元事業主に対し、当該派遣労働者を労働・社会保険に加入させてから派遣するよう求めること。」と定められています。

2.労働者派遣法第35条第1項第4号
 派遣元は健康保険・厚生年金・雇用保険の資格取得確認等の事実を派遣先に通知しなければならないと定められています。
 
3.労働者派遣法施行規則第27条の2第2項
 上述の2に加え、「取得手続きが済んでいないことを派遣先に通知するときは、具体的な理由を付さなければならない」と派遣元に義務付けられています。

以上のことから、今回のような場合、明確に派遣元は法律違反を行っていることになります。
そのような状況下で、上述の1の「派遣元事業主に対し、当該派遣労働者を労働・社会保険に加入させてから派遣するよう求めること」を行わない場合、御社は上述の指針に反していることとなり、該当する派遣社員から、派遣元のみならず派遣先の御社についても訴えられるおそれがございます。
結果的に御社の企業イメージの低下に結びつく可能性もございますので、法律違反をしている派遣元に対し、指針に定められている措置を求め、もしそれでも応じない場合にはその派遣元からの派遣社員の受け入れを停止する等の対応をとる必要があると考えます。
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