妊娠した社員の裁量労働制を外してもよいか?

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質問

現在、裁量労働制を適用している社員がおりますが、この社員のうちの一人から懐妊の報告がありました。

悪阻等による体調不良で、通常の所定労働時間よりも短い勤務しかできない状態が続いているため、裁量労働制の適用を外すことを考えております。

しかし、裁量労働制の適用を外すことが「妊娠をきっかけとした不利益変更」となるのではないかということを懸念しており、何か良い方法があれば教えていただきたく存じます。

 

回答

妊娠で体調を崩されているということですが、その状態が長期間継続するとは限りません。
安定期に入れば通常の勤務状況に戻るとも(個人差はありますが)考えられますので、裁量労働制の適用を外すことについては、ご本人とお話の上、合意いただくことが必要と思われます。

また、裁量労働制に係る労働時間のみなしに関する規定は、労働基準法第4章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用されるものであり、同法第6章の2の妊産婦等に関する規定における労働時間の算定には適用されませんので、妊産婦からの請求があった場合は、使用者は実際の労働時間が1日8時間及び1週40時間を越えないように労働させなければなりません。
妊産婦から残業ができないとの請求があれば、当然、裁量労働制の主旨から外れますので、適用を外す対応が必要となると考えます。
ご本人から短時間勤務の希望があるのであれば、当然、裁量労働制の適用除外とするべきでしょう。

なお、裁量労働制を導入するにあたっては、労使協定によって、「対象業務に従事する労働者の労働時間の状況の把握方法と把握した労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉を確保するための措置の具体的内容」を定めます。
その中に、「把握した対象労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、対象労働者への裁量労働制の適用について必要な見直しを行う」ことを含めることが望ましいとされています。
あらかじめ、この文言が労使協定に含まれていれば、ご説明もしやすいかと思われます。
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SR人事メディア編集部
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