短時間正社員における定額残業手当の意義
質問
この度、短時間正社員制度を導入することになり、基本給と職務手当の賃金体系の設定で悩んでおります。
当社では、正社員に定額残業手当を支給しています。また、短時間正社員は所定時間外について勤務をしない前提です。
しかし、もし時間外勤務が発生した場合、通常の正社員は45時間までは時間外手当が発生しませんが、短時間正社員は残業が発生すればその分割増賃金が発生します。
通常の正社員の残業手当の算定が基本給のみを元にしており、定額残業手当を含めていませんので、給与の全額を基本給とする短時間正社員と比較すると、時間単価が低くなってしまうように考えられます。
短時間正社員制度の趣旨において、定額残業手当を設定することは制度自体に意味をなさないように思っております。
どのようにすれば、形態別でバランスを取ることができるでしょうか。
回答
短時間正社員に同レベルの定額残業代制度を適用させると短時間正社員制度そのものが形骸化しかねないというご懸念はもっともです。
一方で定額残業代を一切設定しないと45時間を上回らない限り時間外労働手当が発生しない通常の正社員とわずかでも所定労働時間を超えて勤務すれば時間外手当が発生する短時間正社員との間のバランスに苦慮することになりますが、改めて御社における定額残業代制度の背景・目的をご確認下さい。
定額残業代制度の目的は、時間外労働自体はどうしても発生してしまうため、ひと月の中では設定された時間内に納めるようマネジャーの労務管理と社員の自己管理を意識づけるとともに、当該時間内に留まる限りでは個別の時間外労働手当の計算は必要ないという給与計算の簡素化というところにあると考えます。
したがいまして、通常正社員と同様の定額残業代は不自然ですが、短時間正社員と言えども業務の都合により、時間外労働を命ずることがあると考えれば一定時間の時間外労働に相当する定額残業代を付加しても問題はないと考えます。
例を挙げれば時間外労働は1回あたり30分、週2回、ひと月では4時間として、理念として短時間正社員には時間外労働はないが、命ずることがあってもこの時間内納めるよう労務管理すると考えるもので、毎月4時間は残業してもらいますという意味ではありません。
そのため、この時間については絶対の解はなく、制度の趣旨を損ねない範囲で設定することになります。
(検討した結果、定額残業代ゼロということもあると考えます)
公平な取扱いをするためには、通常正社員の基本給から定額残業代を取り出したあとのコアの基本給の時間単価で短時間正社員の給与を設定する必要があります。
逆算で定額残業代を設定している場合にはこの点にご留意ください。
一方で定額残業代を一切設定しないと45時間を上回らない限り時間外労働手当が発生しない通常の正社員とわずかでも所定労働時間を超えて勤務すれば時間外手当が発生する短時間正社員との間のバランスに苦慮することになりますが、改めて御社における定額残業代制度の背景・目的をご確認下さい。
定額残業代制度の目的は、時間外労働自体はどうしても発生してしまうため、ひと月の中では設定された時間内に納めるようマネジャーの労務管理と社員の自己管理を意識づけるとともに、当該時間内に留まる限りでは個別の時間外労働手当の計算は必要ないという給与計算の簡素化というところにあると考えます。
したがいまして、通常正社員と同様の定額残業代は不自然ですが、短時間正社員と言えども業務の都合により、時間外労働を命ずることがあると考えれば一定時間の時間外労働に相当する定額残業代を付加しても問題はないと考えます。
例を挙げれば時間外労働は1回あたり30分、週2回、ひと月では4時間として、理念として短時間正社員には時間外労働はないが、命ずることがあってもこの時間内納めるよう労務管理すると考えるもので、毎月4時間は残業してもらいますという意味ではありません。
そのため、この時間については絶対の解はなく、制度の趣旨を損ねない範囲で設定することになります。
(検討した結果、定額残業代ゼロということもあると考えます)
公平な取扱いをするためには、通常正社員の基本給から定額残業代を取り出したあとのコアの基本給の時間単価で短時間正社員の給与を設定する必要があります。
逆算で定額残業代を設定している場合にはこの点にご留意ください。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!
最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)
- PREV
- 社歴が短い社員の休職について
- NEXT
- 妊娠した社員の裁量労働制を外してもよいか?