役割等級制度の等級設定をうまく活かすためには?

質問

役割等級制度について、役割を明確にすることで社員の貢献度を高めることがメリットであると認識しています。
一般的には7段階程度で設定することが多いように見受けられますが、このメリットを効果的に活かすための役割等級制度の等級数をどのくらいにするのが良いか相談させてください。

 

また、管理職を離任し非管理職となった社員のための等級の設定・設計、地域限定社員用の等級の設定・設計について、等級設計を行うことは妥当でしょうか。
非管理職になった社員については、主にエキスパート職に位置付けることとなります。)

回答

貴社の事情等が不明確な部分もありますので、次のようなことを考慮して等級設定を行っていただければと存じます。

役割等級を導入することは、各該当等級における役割を明確にすることにより、事業運営上の求められる役割との連動性を図り、事業に対する貢献度を向上させることが目的の一つとなります。
その目的に沿う形で、現状の企業規模や社員数・層に応じた役割の割り当てにより、役割の区分けすなわち等級数を変えることとなります。
また、当然ながらこの役割に基づく等級数の設定は、今後の事業展開も見据えた上で設定することがポイントとなります。

一般的には、役割等級の数は多くならないようにすることが多いです。
これは、役割を明確にし、かつ、役割に差ができるようにすることによって、処遇にも格差をつけていくためでもあります。
また、社員に対してもキャリアアップを促すという観点から、「役割が変われば処遇も変わる」ということを実感してもらうためにも等級数は多くしない方が良いです。


管理職を離任後の社員のための等級については、管理職であった方をエキスパート職として処遇していくことの妥当性を考慮したほうがよろしいかと存じます。
一般的に、エキスパートと管理職(ここでは離任者)とでは求められる役割も能力等も大きく変わりますので、対象者にとっては大きなキャリアチェンジとなります。
あえてキャリアチェンジを求めるのであれば、エキスパート職の等級を設定することは妥当と考えます。
また、役職定年制に基づく離任であれば、同等等級に位置付けて役割を軽減した形で処遇等も行っていくことが多いです。

地域限定職用の等級ですが、地域限定という労働条件上の要件に対して、役割、職務が変わることであれば、限定職用のコース(等級)も必要となります。
最近であれば、ユニクロ社のリージョナル社員、ナショナル社員という取り扱いがありますし、保険会社等でも地域限定社員としてのコース・等級を設定していることがあります。
この場合は、コース、等級、貢献度を勘案すれば処遇(給与)等も変わってくることとなります。

以上のことをご参考にして頂き、経営環境、経営方針、社員実態、社員のキャリア等を踏まえ設計して頂ければと存じます。
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公開日: 手当(時間外手当除く) 賃金

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