有給休暇の先行取得をさせることはできるか?

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弊社では慶弔休暇は無給となります。そのため、入社して半年に満たない方については有給休暇が無い為、取得した日数分の欠勤控除がされてしまいます。

これではあまりに可哀想なので、公休日を他の月からあてがい、他の月の公休日に関しては、後に発生する有給休暇を取得するよう運用しています。

この方法は違法でしょうか? また、有給休暇の先取り対応は可能でしょうか?

回答

 公休日とは、休日に関する労基法の基本原則、「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」(法35条1項)に照らし合わせれば、労働を前提とした、いわゆる週休制の原則に基づき、取得されるべき休日であります。これは、特にキリスト教国における安息日の慣習が、労働時間の規制と結びついた制度であり、休日は、労働からの疲労を回復する安息日として法制化されているわけであります。
 従いまして、貴社運用にある、他の月から公休日をあてがうことは、労働を前提とした、週休制の法の趣旨に反し、誤った運用であります。
 次に、他の月へあてがわれた、次月に予定されていた元の公休日に対して、先取りして取得させる有給休暇を充当する運用ですが、「年次休暇の利用目的は労基法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由である」(*)という、年休自由利用の原則から検討すると、使用者側からの要請による年休利用であるため、労働者の自由利用にあたらず、(たとえ本人が利用に同意しても)、法的リスクの高い運用であります。
 尚、有給休暇を例えば、入社日から取得させる等、有給休暇の先取りは、法で定めている年休制度以上の付与要件であるため、違法にはあたりません。
 しかしながら、他の月からの公休日の充当、自由利用に反する年休の取得や、運用ご担当者様の、慶弔事由が発生して無給となることが「あまりに可哀想」であるとお考えであること等を勘案すれば、有休の慶弔休暇を設けて運用されることでリスクが回避できると思われます。ご検討下さい。

 (*)…林野庁白石営林署事件(最二小判昭48・3・2)

公開日: 労務管理 有給休暇

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