扶養確認は事実婚でも必要ですか?

当社では結婚休暇の申請の要件として、法律婚・事実婚の制限は設けておりません。申請の際に身上届も提出させていますが、その際に法律婚・事実婚の詳細な確認も特に行っておりません。

しかし、税法上の扶養として、事実婚の配偶者を扶養するのであれば、申請時に細かく確認すべきという声があがっています。

 

(1)社会保険上と税法上で取り扱いが異なる可能性もあることから、今後結婚に関する身上届があった際は法律婚・事実婚を確認する運用を考えておりますが、コンプライアンス上、問題はありますでしょうか。

税法上の特別徴収義務者として、会社に確認義務があるため確認すべきと思いますが、プライベートに及ぶ内容であり、扶養に該当するかがわからない段階で確認するのは問題があるようにも思え、判断に困っております。

 

(2)また、現状上記では異性間の事実婚を想定していますが、これがパートナーシップ契約などの同性間の事実婚であった際に、留意すべき点はありますでしょうか?

 

回答

(1)法律婚か事実婚かを確認する運用が望ましいです。
事実確認をしないことには、特別休暇や手当など支給すべきではないと考えます。実務上、何に基づいて休暇や手当を支給したかを明確にすることが不正やミス防止の観点から重要です。また、税法上の特別徴収義務者として婚姻関係があるかどうかを確認する必要があります。

保険者にもよりますが、健康保険の扶養に入れる際、氏名が異なるときは戸籍謄本や世帯全員の住民票を求められることもあります。会社の手当である扶養手当や慶祝見舞金支給の判断も必要ですので、事実を把握すること、事実が確認できる書類を提出してもらうことが必要です。

法律婚か事実婚かを早めに把握することで、給与処理や健康保険証の処理が滞りなく行えます。また、虚偽の申告を防ぐという観点からも、住民票の世帯主との続柄欄に妻(未届)と登録した住民票を提出するなどの基準を設けておくとよいでしょう。
このことが、税法上の扶養に入れる手続きをとらなかったことの証明になります。また、扶養手当や慶祝見舞金など支給対象外であるのに支給していたなどの実務上のミスを防ぐことにも繋がります。


(2)これが同性間の事実婚(パートナーシップ契約など)であった場合でも、特別休暇や何らかの手当を支給する場合は何に基づきその処置を行ったかを明確にしておくという意味で、(1)と同様です。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

公開日: 税務・税法 賃金

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑