【採用】オンライン面接の注意点

コロナ禍の採用活動において、オンライン面接が常識となりつつあります。オンラインでの会話は、プライベートであれば気軽に行えますが、企業として、社外との打ち合わせや面接に利用するとなると、意外と気を付けるべき点が多いことに気が付くでしょう。今回は採用選考におけるオンライン面接の際の注意点について、以下記載していきたいと思います。

1、対面面接の違い・メリットデメリット

注意点を記載する前に、まずはオンライン面接のメリットとデメリットを整理していきましょう。

<オンライン面接のメリット>

◆場所を問わず実施可能

オンライン面接は、パソコンやスマートフォンなどの端末が手元にあれば、基本的にはどこでも実施することができます。選考エリアと異なるエリアに住んでいても、オンラインであれば選考に気軽に参加することができるため、応募者側にとっても選択肢が増え、企業側にとっても母集団形成がしやすい選考方法となります。

◆採用担当の手間が省ける

面接準備として、会場設置や資料印刷などの物理的な準備がなく、URLの案内のみで足りるため、採用担当の手間が省けます。また、企業側も場所を問わないため、環境が整っていれば、面接官が出張先や在宅ワーク中でも実施が可能です。

◆選考スピードの向上

隙間時間で実施可能ということから、応募者側にとっても選考官にとっても面接調整がしやすく、その結果選考スピードが向上するケースが多く見られます。

◆応募者がリラックスして取り組める

会場の雰囲気にのまれやすい人や緊張しやすい人にとっては、自宅で実施可能なため、普段の自分を出しやすい、というメリットがあります。

<オンライン面接のデメリット>

◆会社の雰囲気を伝えにくい

面接の際に、実際に働く職場に来ていただくわけではないため、応募者が、アクセス経路や職場の雰囲気などを確認できる場がありません。伴って、伝える工夫をしなければ、企業理解が乏しいまま選考が進んでしまう可能性があります。

◆応募者の印象を把握しにくい

オンライン面接は、表情の読み取りが対面面接よりも難しいため、意識して読み取るようにしないと、誰に対しても「印象が薄い」と思ってしまったり、実際とは違った印象を抱きやすい可能性があります。

◆通信トラブルがあるとスムーズに面接できない可能性がある

オンラインでの面接は、間合いが取りにくいうえに、通信環境の乱れによって面接が遮られるケースもあります。選考官側の事前のリハーサルはもちろん必要ですが、応募者側に通信環境の整った場所で受けていただくよう事前の案内が必要です。

 

上記にデメリットを挙げましたが、オンラインと対面との大きな違いとしては、「非言語部分の情報量の差」が挙げられます。オンラインの方が非言語部分の情報量が少ないわけですが、その中でも面接官が判断しやすくなるよう対策が必要となります。

2、オンライン面接の準備

オンライン面接を実施する際に準備することを、以下記載いたします。

◆ツールの導入

オンライン面接のツールとしては、会議用としてリリースされているもの、採用管理システムがセットとなっている専用のものなど、様々なものがあります。

 

【 会議ツール・無料あり 】

ZOOM

GoogleMeet

MicrosoftTeams

Skype

 

【 会議ツール 】

ビデオトーク

bellFace

Calling

FACEHUB

V-CUBEミーティング

 

【 採用面接専用ツール 】

インタビューメーカー

ウェブメン

経営人事

どこでも面接

BioGraph

harutaka

SOKUMEN

 

無料のものは、接続時間や参加人数に制限が設けられているケースが多いため、事前に調査・確認のうえ、導入が必要です。自社で既に取り入れているツールがある場合、必要に応じてそのツールを有料化して活用していく方法が、面接官にとっては使いやすく、説明もスムーズかもしれません。

有料のものについても、自社の採用人数や面接官の人数、面接官のITリテラシーレベルなどを考慮し、検討することをお勧めします。

◆環境整備

オンラインでは、思っている以上にこちらの表情が伝わりにくいため、様々な配慮が必要です。

 

・通信環境

大前提として、通信環境の確認が必要です。電波が弱い場所や通信が混雑している場所は避け、安定した接続が可能な状態かを確認しておきましょう。

 

・音声

マイクの事前テストは必須ですが、それ以外にも、周りの雑音が入らない静かな場所で行うようにしましょう。タイピングの音も入り込むため、面接中はなるべくPC操作を避け、メモなどを取るようにしましょう。

 

・明るさ

部屋の照明で不十分であったり、パソコンの向きなどで逆行になると、こちらの表情が見えにくく、怖い印象を与えます。必要に応じてデスク用のライトを用意するなど、明るい印象になるよう備品をそろえておくと良いでしょう。

 

・背景

散らかった室内が見えてしまうと、印象が悪くなります。背景に何が映り込むかも確認を行い、背景は綺麗な状態にしておきましょう。

 

上記の点が問題ないか、また、カメラやマイクの確認も含め、一度リハーサルを行うことをお勧めします。

◆写真や資料の準備

冒頭の「オンライン面接のデメリット」として、「職場環境が伝わりにくい」という点を挙げました。この対策として、職場の写真や、社員の雰囲気が伝わる写真を数枚用意しておくと良いでしょう。また、会社の特徴をまとめた資料等も面接時に使うと、応募者の企業理解に役立つでしょう。

 

3、オンライン面接の運用ポイント

以下は実際に面接を行うときのポイントです。

◆アイスブレイクの時間を多めにとる

人柄や表情が伝わりにくいため、意図的にアイスブレイクの時間を多めに取り、緊張をほぐすとともに人柄部分を読み取りやすいように進行しましょう。

◆質問を固定化する

オンライン面接は非言語部分が伝わりにくいため、「雰囲気で人柄を理解する」ということが難しくなります。逆を言えば、「何を言っているか」に意識が向くため、ストーリーから人物を理解することになりますので、経験やスキル面などの認識違いが生まれにくいと言えます。スムーズな人物理解をするためには、応募者のストーリーを聞き出す質問項目を予め用意し、順序立ててヒアリングしていくと良いでしょう。

◆リアクションを大きめにとる

表情が読みとりにくいということは、応募者側も同じです。こちらの意思なども伝わりにくいため、普段より大きめのジェスチャーや、リアクションをとることで応募者側に安心感を与えられます。スムーズなコミュニケーションのために意識しておきましょう。

◆会話方法もキャッチボールよりもプレゼン型にする

オンラインでの会話は、音声の切り替わりやマイクのオンオフに少しタイムラグが発生するため、対面よりも会話の間合いが取りにくい特徴があります。何度も会話をキャッチボールする形式のコミュニケーションよりかは、ある程度話をまとめて話すプレゼン型の話し方の方が、面接がスムーズに進行します。

◆通信トラブル時の対処法を伝えておく

面接の始まりに、「通信環境に問題がある時は電話面接に切り替える」など、対策を伝えておくと、双方安心して面接に取り組めるでしょう。また、面接途中でも相手の表情などを読み取りながら、聞こえにくくなっていないか適宜確認することをお勧めします。

 

その他、“カメラ目線を意識する”、“必要に応じて資料や写真を表示する”など配慮があると良いでしょう。

4、選考フローの見直しの検討も

オンライン面接は、同じ人が複数回行うことで対面並みの人柄理解に近づく、という統計データがあります。(参考:HRreview

長い面接を数回行うよりかは、短い面接を複数回行う方が、良いと言えるでしょう。

また、面接毎に面接官が異なるケースがほとんどだと思いますが、人柄がわかりにくい応募者に関しては、人事担当者が複数回にわたって面接に参加するなど、同じ人が複数回接触する機会を作ると良いでしょう。

5、まとめ

コロナ禍において、オンライン面接は「当たり前」となりました。新卒採用においては、これから大学の授業をオンラインで行っている「リモートネイティブ」世代の学生と面接を行うことになるため、応募者の方がオンラインに慣れているケースも出てくるでしょう。採用担当のオンライン面接の段取り次第で、「時流に乗れていない会社」という悪印象を与えかねません。事前の確認や準備は抜かりなく行いましょう。

また、最終選考までをすべてオンライン面接で行う企業が増えてきていますが、オンラインの印象と対面での印象が違うと感じることが多々出てくると思います。採用選考では、長く勤めていただく社員を見極める場として、しっかりお互いを確認する対面の面接や、面談を一度入れることをお勧めします。

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