【9月】労務情報まとめ 最低賃金全国902円/年末調整様式公開/雇用調整助成金の特例延長 ほか
こんにちは。今年もあと3か月余りとなりました。夏の装いも遠くなり、涼しげな秋の様相を呈しています。
今月は毎年の最低賃金の公表、年末調整の様式が主な改正事項です。また雇用調整助成金の特例が延長され、新型コロナウィルスの影響も引き続き各方面で現れています。厚生年金の届書については事業所捺印がない場合でも受け付けることになりました。年末、来年に向けて業務が加速します!
目次
地域別最低賃金の全国加重平均額は902円に
9月10日、厚生労働省は、令和2年度の地域別最低賃金の改定額を公表しました。7月22日の中央最低賃金審議会で、新型コロナウイルス感染症拡大による現下の経済・雇用への影響等を踏まえ、引上げ額の目安を示すことは困難とされたこともあり、今年度の全国加重平均額は令和元年度の901円から902円への上昇にとどまりました。
なお、北海道・東京・静岡・京都・大阪・広島・山口の6都道府県では、令和元年度の地域別最低賃金が据置きとなっています。
厚生労働省:地域別最低賃金の全国一覧
令和2年分年末調整のための各種様式等が掲載されています
9月10日、国税庁は、令和2年分年末調整のための各種様式等をホームページに掲載しました。併せて、「令和2年分年末調整のしかた」「令和2年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」も掲載されています。
また、令和2年分の年末調整から、生命保険料控除、地震保険料控除及び住宅借入金等特別控除に係る控除証明書等について、勤務先へ電子データにより提供できる「年末調整手続の電子化」が実施されます。実施にあたり、国税庁では年末調整控除申告書作成用ソフトウェアを10月にリリース予定ですが、9月7日より、このプロトタイプ版(Ver.0.9)の提供が開始されています。
国税庁:令和2年分年末調整のしかた
国税庁:令和2年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引
雇用調整助成金の特例措置を12月末まで延長
厚生労働省は8月28日、新型コロナウイルスの影響を受ける事業主に適用している雇用調整助成金の給付要件緩和や助成率引き上げなどの特例措置について、対象期間を当初の9月末から12月末まで延長することを決定しました。併せて、学生アルバイトなど雇用保険の被保険者以外を対象とする緊急雇用安定助成金、中小企業で休業中に休業手当を受けることができなかった人を対象とする新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金についても、対象期間を12月末まで延長することとしました。
厚生労働省では、これらの延長を実施した上で、休業者数・失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り、それぞれの特例措置は、段階的に縮減していくとしています。
雇用調整助成金 オンライン申請再開と申請期限延長について
8月25日、厚生労働省は、運用を停止していた雇用調整助成金等オンライン受付システムの運用を午前12時より再開しました。
また、令和2年1月24日から6月30日までに判定基礎期間の初日がある休業等について、申請期限が令和2年9月30日まで延長(延長前は8月31日)されることとなり、リーフレットが公表されているほか、ガイドブックや支給要領の改正も行われています。
厚生労働省:雇用調整助成金等オンライン受付システムの運用再開について
厚生労働省:雇用調整助成金等の申請期限を延長しました
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定
厚生労働省は9月1日、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(平成30年1月策定)の改定版を公表しました。今回の改定により、副業・兼業の普及促進に向けた課題として挙げられていた、複数勤務先での労働時間の通算管理および健康管理について、ルールが明確化されました。
厚生労働省:副業・兼業の促進に関するガイドライン
複数事業労働者への労災保険給付に関する通達、パンフレットを公表
労働者災害補償保険(労災保険)法が9月1日より改正・施行されることに伴い、厚生労働省は8月21日、関連の通達を発出しました。併せてリーフレットやパンフレット、各種給付請求書のダウンロード用(OCR)様式が公表されています。今回の改正は、令和2年9月1日以降に発生したけがや病気について適用されます。
厚生労働省:複数事業労働者への労災保険給付わかりやすい解説
厚生労働省:複数の会社等に雇用されている労働者の方々への労災保険給付が変わります
適用事業所が書面で提出する届出等における押印及び署名の取扱いについて
新型コロナウイルス感染症の感染防止等の観点から、適用事業所が日本年金機構に書面で提出する届出等における押印及び署名の取扱いについて、当分の間、事業主の押印又は署名がない場合でも、届書を受理する取扱いとします。
日本年金機構:新型コロナウイルス感染症の感染防止等の観点からの適用事業所が書面で提出する届出等における押印及び署名の取扱いについて
労使協定書類の押印廃止
厚生労働省は2021年度から、約40の労働関係書類について、押印原則を見直し、使用者および労働者の押印欄の削除ならびに法令上、押印または署名を求めないこととします。押印を廃止する代わりに、書類に労働者側と合意した事実をチェックする欄を設けることで、実効性を担保します。
厚生労働省:労働基準法に基づく届出等における押印原則の見直しについて
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