【8月】労務情報まとめ 失業等給付 被保険者期間の算定方法変更/雇用保険基本手当日額の改訂 ほか
今月も茹だるような暑さが続きましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
担当者は今年、マスクにシュっとスプレーするとひんやり涼しくなる便利アイテムで乗り切りましたが、もうそろそろ暑さの限界です。このコロナ禍が落ち着くことを願わずにはいられません。
8月の労務情報として「失業等給付の受給資格を得るための「被保険者期間」算定方法の変更」や「令和2年8月1日から雇用保険の基本手当日額の改訂」などの変更されたという点が目を引く印象です。情報をしっかりおさえて対応をしましょう。
それでは、8月の法改正情報をお送りします。
目次
令和2年度の最低賃金おおむね1~2円引上げ・東京は据え置き
厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は7月22日に、2020年度の最低賃金について新型コロナウイルス感染症拡大による現下の経済・雇用への影響等を踏まえ、引上げ額の目安を示すことは困難であり、現行水準を維持することが適当という答申を発表しました。これを受けて現在は地方最低賃金審議会において審議が進んでおり、東京都・大阪府は据え置き、愛知県・埼玉県などおおむね1~2円の引上げが多くなっています。
厚生労働省:令和2年度地域別最低賃金額改定の目安について
雇用調整助成金ハンドブック・FAQ 8月1日版更新
新型コロナウイルス感染症に伴う雇用調整助成金の特例について、8月1日に雇用調整助成金のFAQとハンドブックの更新版が発表されました。
雇用調整助成金の処理状況(令和2年8月17日時点)
累計支給申請件数(件) 821,716件 (対前日比+13,557)
累計支給決定件数(件) 714,871件 (対前日比+15,494)
厚生労働省:雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
失業等給付の受給資格を得るための「被保険者期間」算定方法の変更
令和2年8月1日以降に離職した者について、「被保険者期間」の算定方法が変更になります。
これまでの、「離職日から1か月ごとに区切っていた期間に、賃金支払の基礎となる日数が11日以上ある月」に加え、「賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月」も被保険者期間になるよう変更されました。また、この取扱いは離職票のみでなく、雇用継続給付にかかる賃金の証明でも同様の取扱いとなりますので注意が必要です。
失業等給付の受給資格を得るために必要な「被保険者期間」の算定方法が変わります
新型コロナウイルス拡大防止チェックリスト
以前より厚生労働省が公開している「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」に8月7日「感染予防のための体制」の項目が追加されました。このチェックリストは、職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するための基本的な対策の実施状況について確認し、不十分な対策について改善につなげることを目的としています。
職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト
令和2年8月1日から雇用保険の基本手当日額の改訂
厚生労働省は8月1日より、雇用保険の「基本手当日額」について、上限・下限ともに引上げました。この改定は毎年行っており、今回の変更は令和元年度の平均給与額が平成30年度と比べて約0.49%上昇したこと及び最低賃金日額の適用に伴うものです。
厚生労働省:雇用保険の基本手当日額の変更
障害者法定雇用率引上げ 2021年1月1日の見込み
障害者の法定雇用率についてこれまでも段階的に引上げが行われておりましたが、7月31日に行われた労働政策審議会障害者雇用分科会にて2021年1月1日より0.1%の引上げを実施する案が示されました。こちらで決定した場合、法定雇用率は2.3%となり、2021年1月1日より、「従業員数43.5人以上の事業主」に障害者雇用の義務が生じます。
厚生労働省:第97回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)
労働者派遣の同一労働同一賃金(労使協定方式)の一般賃金額発表 延期
令和2年4月1日より施行されている派遣労働者の同一労働同一賃金ですが、労使協定方式を選択した場合には、「派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金(一般賃金)の額として厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額となるものであること」等の条件を満たす必要があります。この一般賃金額については毎年6~7月に厚生労働省から発表される予定でしたが、2021年度については、「新型コロナウイルス感染症による雇用・経済への影響の先行き等が明らかではないため、できるだけぎりぎりまで見て示す」として秋頃へ延期となりました。
厚生労働省:派遣労働者の同一労働同一賃金について
令和3年度に適用される同種の業務に従事する一般の労働者の賃金(一般賃金)の額等について(令和2年7月 29 日)
マイナンバーカードを健康保険証として利用するための申し込み受付が開始
マイナンバーカードの新しい機能として、令和3年3月から病院・歯科医院・薬局でマイナンバーカードが保険証の代わりに使用できるようになります。まずはマイナンバーカードを取得し、マイナポータルより保険証として利用する申し込みを行う必要があります。
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