「キャリアアップ助成金」を活用し、有能な人材を定着・確保しましょう

日本は少子高齢化社会が続いており、労働人口の減少に大きな影響を及ぼしています。総務省の最新発表では、有効求人倍率が1.63倍で10年連続上昇しているということです。その結果として、多くの企業では人手不足の問題が年々深刻化しています。

このような人材採用難の状況においては、「経験者を採用したいが応募者がない」「人材採用の資金が足りない」「未経験者の育成がうまく進まない」などの採用における問題が少なくないと考えられます。今回、皆さんに紹介したい「キャリアアップ助成金」は、これらの問題を解決する鍵となっています。キャリアアップ助成金を活用し、採用コストを抑えながら効率的に人材を獲得・確保する方法を説明します。

1キャリアアップ助成金とは

「キャリアアップ助成金」とは、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成される制度です。(厚生労働省のキャリアアップ助成金パンフレット)

簡単に言えば、会社や個人事業主が雇用している契約社員やアルバイト・パート、派遣社員を正社員に登用して賃金を5%上げることで得られる助成金です。人材を採用する際に契約社員として採用して正社員に登用し賃金を5%上げることで助成金を得られるだけでなく採用ミスマッチのリスクも防ぐことができます。

 

2キャリアアップ助成金の受給条件

雇用保険適用事業所の事業主であること

  • 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主であること
  • 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に対し、キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主であること
  • 該当するコースの措置に係る対象労働者に対する賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備している事業主であること
  • キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること。

この助成金に該当する事業主には、民間の事業者のほか、民法上の公益法人、特定非営利活動促進法上の特定非営利活動法人(いわゆるNPO法人)、医療法上の医療法人、社会福祉法上の社会福祉法人なども含まれます。

 

3キャリアアップ助成金 法改正コースの概要

助成金の金額は中小企業、大企業より異なります。コースを紹介する前に、以下の表を参照しながら、中小企業と大企業の定義を説明します。

 

資本金・出資の総額  

 

OR

常時雇用する労働者の数
小売業 5000万円以下 50人以下
サービス業 5000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

 

両方満たしている必要はなく、片方でも該当する場合は中小企業の扱いとなります。どちらの条件にも該当しない場合は大企業の扱いとなります。

平成30年法改正の後のキャリアアップ助成金としては、7つのコースがあります。正社員化コース、賃金規定等改定コース、健康診断制度コース、賃金規定等共通化コース、諸手当制度共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コースです。本記事においては、正社員化コースや賃金規定等改定コースを主にして紹介します。

 

①正社員化コース

企業は優秀な人材の確保、社員のモチベーション・意欲・能力の向上、生産性の向上のため、正社員化コースをよく活用しています。

正社員コースには雇用形態の転換が

有期雇用の契約社員やアルバイト・パート→正社員
有期雇用の契約社員やアルバイト・パート→無期雇用の契約社員やアルバイト・パート
無期雇用のアルバイト・パート→正社員

という3つがあります。

助成金額は以下のようになります

形態 一人あたりの金額
有期→正規 57万【72万円】(42万7,500円【54万円】)
有期→無期 28万5,000円【36万円】(21万3,750円【27万円】)
無期→正規 28万5,000円【36万円】(21万3,750円【27万円】)

注:【 】は生産性の向上が認められる場合の額、( )内は中小企業以外の額

 

②賃金規定等改定コース

賃金規定等改定コースとは、契約社員やアルバイト・パートの賃金規定を2%増額改定することで得られる助成金です。

すべての有期契約従業員等の賃金規定等を増額改定した場合

対象従業員の数 1事業所当たりの金額
1-3人 9万5,000円【12万円】(7万1,250円【9万円】)
4-6人 19万円【24万円】(14万2,500円【18万円】)
7-10人 28万5000円【36万円】(19万円【24万円】)
11-100人 2万8500円【3万6,000円】(1万9,000円【2万4,000円】)

 

一部分の賃金規定等を増額改定した場合

対象従業員の数 1事業所当たりの金額
1-3人 4万7,500円【6万円】(3万3,250円【4万2,000円】)
4-6人 9万5,000円【12万円】(7万1,250円【9万円】)
7-10人 14万2,500円【18万円】(9万5,000円【12万円】)
11-100人 1万4,250円【1万8,000円】(9,500円【1万2,000円】)

 

4支給申請までの手順

①「キャリアアップ助成金」計画の作成、提出

「キャリアアップ助成金」の活用に当たっては、 正社員や無期雇用に登用する前に「キャリアアップ計画」(労働組合等の意見を聴いて作成)等を作成し、 提出することが必要です。

②取組の実施

正社員化コースの場合は就業規則を改定し、正社員へ転換

転換後6ヶ月の賃金の支払い(転換前より5%以上の賃金増額必要)

取組後6ヶ月の賃金の支払い(健康診断制度コースは取組の実施日を含む月の分の賃金の支払い)

③支給申請

キャリアアップ助成金の支給申請にあたっては、支給申請書と添付書類を事業所の所在地を管轄する都道府県労働局に提出します。

申請書類の様式(厚生労働省ホームページが掲載)

 

まとめ

キャリアアップ助成金のうち、特に正社員コースを活用することで、従業員のモチベーションを高め、優秀な人材の確保に役に立つことができます。キャリアアップをサポートし、従業員に働きやすい環境を整えることに対して、キャリアアップ助成金は重要な助成金となります。人材育成事業を成長させて、人材を失わないように、キャリアアップ助成金を活用しましょう!

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譚佳慧

社会労務士新人として、日本人事のことを積極的な姿勢で学びにいきます。人事・労務管理関連の記事を書いていきます。カラオケが大好きです。

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