【8月労務まとめ】裁量労働制の自主点検、36協定の特別条項における曖昧な残業理由を否認する方針など、働き方改革に向けた動きが活発化

 

8月もお盆が終わり、暑さもひと段落していると感じつつ、まだまだ油断できない日が続きそうです。今月の労務情報まとめをお届けいたします。

 

今月も働き方改革の周辺動向が目立っていました。厚生労働省による各種の指導や省令整備、民間の研究所による調査アンケートなど6点をまとめています。働き方改革関連法案は2019年4月から施行されますが、企業の対応が求められています。

 

 

厚生労働省 裁量労働制の自主点検結果を公表

厚生労働省 裁量労働制の自主点検結果を公表今年2月より、厚生労働省は裁量労働制を導入している企業に対し自主点検を求める通知を行っていましたが、その結果が公表されました。点検項目としては、労働者が従事している業務、対象労働者、労働時間の状況など裁量労働制の適用要件が主となっています。

 

働き方改革関連法案の施行を前に、これまでの裁量労働制が正しく運用されているか確認を行い、労働基準法違反の疑いがあるなどの企業に対しては重点監督を実施するとのことです。裁量労働制を実際に運用していなくても、労働基準監督署に裁量労働制を届け出ている場合には、対象者の有無に関わらず自主点検の対象となるケースもあるようです。また、裁量労働制の運用に問題がなくても関連して残業代支払に関する調査を受け、社員のPCログイン時間などから未払い残業代を指摘される場合もあるようです。

 

裁量労働制では残業代を払わなくてよい制度であると理解されている場合もあるようですが、深夜残業代については支払う必要があるなど一部で誤解を受けていることもあります。裁量労働制の運用について見直してはいかがでしょうか。

 

引用:厚生労働省 報道発表

自主点検の結果まとめ(企画業務型、専門業務型)

 

 

賃金不払い残業の是正指導の結果を公表

厚生労働省は、平成29年度に時間外労働などに対する割増賃金を支払っていない企業に対して、労働基準法違反で是正指導した結果を公表しました。労働基準監督署へ寄せられた企業の従業員からの情報を元に指導を行い、従業員へ支払われた不払いだった割増賃金が1企業で100万円以上だった事案をまとめたものです。

 

引用:厚生労働省 報道発表

100万円以上の割増賃金の遡及支払状況まとめ(H29 業種別)

賃金不払い残業を解消するための取り組み事例(小売業、製造行、建設工事業)

 

 

厚生労働省 曖昧な残業理由を認めない方針

2019年4月より罰則付きの時間外労働の上限規制が施行されることを前に、厚生労働省は36協定の特別条項の理由として「業務上止むを得ない場合」など曖昧な内容は認めない方針を明らかにしました。曖昧な理由は長時間労働を招く可能性があるため、具体的な理由の検討を求めていく方針とのこと。36協定締結の注意点をまとめたガイドラインを9月中にまとめる見通しです。

 

引用:共同通信 2018/8/9

 

 

日本能率協会 管理者の「働き方改革」に対する意識アンケートを実施

日本能率協会は、管理者を対象として「働き方改革」に対する自社の進み具合や自身で身に着けたいスキルについてアンケートを行いました。進み具合については、「有休取得」「コミュニケーション」は進んでいると感じる一方、過半数が「会議・打ち合わせの時間短縮」が進んでないと回答があったとのこと。

 

また、働き方改革実現のために身に付けたいスキルは、「コミュニケーション力」が圧倒的多数に。業務の領域では、「業務改善・効率化」「マネジメント力」が上位でした。

 

引用:日本能率協会 報道発表

 

 

働き方改革の施行に向けた省令案を発表

2019年4月に施行される働き方改革関連法案に対する省令案が労働政策審議会にて取りまとめられました。36協定届の新様式や、有給休暇の時季指定義務の考え方、労働時間の客観的な把握についての適切な記録方法などについて、法律に基づいた企業における具体的な対応指針の案を列挙しています。

 

引用:厚生労働省 報道発表

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に関する論点(案)

 

 

平成30年度 全国の最低賃金答申が出揃い

今年の地域別最低賃金の改定額が取りまとめられました。7月26日に中央最低賃金審議会が公開した最低賃金額の改定目安などを元に、各地方の最低賃金審議会にて審議された内容を取りまとめたものです。改定額の全国平均は昨年度の848円から874円となっています。

 

引用:厚生労働省 報道発表

平成30年度地域別最低賃金時間額答申状況 一覧

 

 

 

 

厚生労働省では、今後も働き方改革を推進する中で労働基準法に関する調査、指摘を行っていくでしょう。働き方改革へ対応するために、新システムの導入や人手不足によるアウトソースを検討されている企業や、働き方改革の前に労務の整備が必要な企業もあるかと思います。労務分野のご相談はぜひこちらへ。

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堀越 敬太

給与計算、社会保険手続にて3000名から100名までの規模を経験し業務フローの改善に従事する傍ら、社内研修の運営にも参画。人事情報のトレンドをお届けいたします。

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