勤怠管理をしっかり行い、働きやすい環境をつくりましょう
厚生労働省では、11月を「過労死等防止啓発月間」と定めており、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取り組みを行っていました。
そこで、今回は、11月を過ぎてもなお大事な勤怠管理についてお話していきたいと思っております。
勤怠管理が何故重要なのか、そもそもどのような法律に基づいたものなのかについて詳しく見ていきましょう。
目次
1. 勤怠管理とは何か
出勤や退勤、休憩や休暇などの社員の「出勤状況」を示すものを「勤怠」と呼んでいます。そして、社員がどのくらい出社し、どの程度の残業や休みを取っているかを把握し、法律や会社で決めたルールを遵守しているかを管理することを、一般に勤怠管理といいます。
2. 勤怠管理を行うべき場所
厚生労働省によると、勤怠管理を行うべき事業所は、労働基準法の労働時間の規定が適用される事業所であるとしています。一方、労働時間の規定が適用されない職種は、自然や天候に仕事が左右される農業や水産などです。
3. 勤怠管理はなぜ必要なのか
勤怠管理は給与に関係する非常に重要なものです。社員の労働時間について使用者を適切に管理し、必要な手当てを支払わなければなりません。適正な労働時間の管理を行わず、必要な対策を講じていない場合は、長時間労働による過労死や重い健康障害を発症することもあります。また、残業代の未払いによる紛争や多額の賠償金が発生することもあり、深刻な事態を招くこともあるかもしれません。そのため、労働時間を適正に管理することは、極めて重要です。
4. 労働基準法での定め方について
労働基準法とは、労働条件に関する最低基準を定めているものです。
賃金の支払い原則は直接払、通貨払、金額払、毎月払、一定期日払という5つがありますが、その計算の元になるのが勤怠です。
労働時間の原則は1週40時間、1日8時間です。
(法定労働時間を越えて労働させる場合には、労働基準監督署に届出(※時間外労働・休日労働に関する協定届)する必要があります。)
※時間外労働・休日労働に関する協定届とは、使用者が労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者との書面による協定を所轄労働基準監督署長に届け出ることにより、当該協定の範囲で法定労働時間を延長し、又は、休日に労働させることができる制度です。
時間外・休日労働をする場合は、労使協定の締結が必要になります。
割増賃金は、時間外と深夜は2割5分以上、休日は3割5分以上です。
☆労働基準法の改正について
長時間労働の抑制を目的とした労働基準法の一部を開設する法律が平成22年4月1日から、1ヶ月60時間を越える時間外労働の割増賃金率は5割に引き上げられました。(中小企業には当分の間は適用を猶予しています)
5. 勤怠管理では何を把握したらよいか
では、ここで、勤怠管理とは一体どのような項目を見ればよいのかということについてまとめていきます。基本的に必要なものとしては下記の項目があります。
・出勤、退勤時刻
・労働時間
・時間外労働時間
・深夜労働時間
・休日労働時間
・出勤日数
・欠勤日数
・休日出勤日数
・早退や遅刻の回数と時間
・有休日数 など
(時間外労働と休日労働については、労働基準法に定められた法定内のものか、法定外かの区別をつける必要があります)
6. 勤怠管理を行うことの重要性
・社員の勤怠をしっかりと把握することで、社会問題になっている長時間労働や過労死を防ぐことができる
・働きやすい会社をつくることができる
・作業時間が大幅に削減できる
・データをもとに、社員の出勤状況と雇用形態に応じた給与計算を自動的に行うことが可能になる
・使用者が社員の勤怠を把握することは、社員にとって働いたことを証明するものであり、労働に対するモチベーションの維持にも役立つ
7. まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は勤怠管理についてお話させていただきました。
「過労死等防止啓発月間」中は、国民への周知・啓発を目的とした、「過労死等防止対策推進シンポジウム」や「過重労働解消キャンペーン」などが行われています。詳しくはこちらをご覧ください。
11月は終わってしまっていますが、長時間労働、過労死等は仕事をする上では切っても切れない問題です。また、給与計算ミスや残業代未払いなどの問題も防ぐためにも、勤怠管理を行うことは重要です。
働きやすい環境をつくるためにも、しっかりと勤怠管理を行いましょう。
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