もう始まっている! 労働保険年度更新

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仕事をしていると、このように、仕事によって心身が傷つくことがあります。そういう時に労働者の手助けをしてくれるのが労災保険です。この労災保険は、労働保険と呼ばれる保険の一種です。その労働保険の年に一度の申告・納付を行う労働保険の年度更新が、もう始まっています。期限は7月10日までですので、企業の担当者の方は、早めの申告・納付を心掛けたいですね。この記事では、その労働保険の年度更新について改めて見ていきます。

 

・労働保険とは

 

一般に労働保険と言われているものは、雇用保険労災保険という2つの保険の総称です。制度自体は別個のものですが、保険料の納付等、一体に扱われることの多い保険のため、総称としての労働保険という言葉がよく使われます。

 

・雇用保険
労働者の雇用の安定や促進が目的の保険制度です。失業した場合に休職中に受け取る基本手当(失業給付)が代表的ですが、育児・介護休業給付、就業促進手当等、多様な給付があります。離職したときや就業が困難になった時など、就業したいのにできない状態にある人が困ったときの支えになってくれるのが雇用保険です。

・労災保険
労災保険とは、仕事中や通勤中に事故・災害にあって、ケガをしたり、病気になったりした場合などに保障を行う保険制度です。また、被保険者の遺族への援助や、災害にみまわれた人の社会復帰なども行います。仕事中に発生した心身の問題について補償してくれるのが労災保険です。

 

厚生労働省が労働保険の管轄をしていますが、実際に管理しているのは、雇用保険に関してはハローワーク、労災保険に関しては労働基準監督署になります。

 

・社会保険との違い

 

いわゆる社会保険労働保険では違うところが多くあります。

社会保険といわれるものの中には、健康保険、国民健康保険、厚生年金保険、国民年金等があります。国民年金保険は20歳~60歳のすべての人が加入する、厚生年金保険は会社員や公務員だけが加入する、などそれぞれ対象者が異なっています。

それに対して労働保険は、会社に雇われている社員が入る保険です。

労災保険は原則社員全員が加入します。雇用保険は、以下の条件を満たす社員が加入することになります。

 

  1. 一週間の所定労働時間が20時間以上
  2. 31日以上継続して雇用される見込みである
  3. 雇用保険の適用事業所に雇用されている

 

また、保険料に関しても大きな違いがあります。

会社勤めの人にとっては毎月給与から天引きされることになるため一見違いがわかりにくいのですが、集めた保険料を払う会社側はそうではありません。社会保険料は毎月収めるのに対して、雇用保険料は年一回収めます。

その年一回収めるタイミングが、労働保険の年度更新なのです。

 

・労働保険の年度更新

 

労働保険の年度更新とは、年に一度の労働保険料(および一般拠出金)の申告・納付手続きのことです。毎年6月1日~7月10日の間に申告および納付を完了させる必要があります。申告・納付するものは、雇用保険料および労災保険料について以下の3つです。

 

1.今年度分の概算保険料

2.昨年度分の確定保険料

3.一般拠出金(アスベストによる健康被害の救済のための費用として課せられる拠出金)

 

労働保険の年度開始は4月1日ですから、今年に関していえば、「平成28年4月1日~平成29年3月31日までの確定保険料」「平成29年4月1日~平成30年3月31日までの概算保険料」「一般拠出金」を申告・納付することになります。

 

・申告税額の確定

 

労働保険の保険料はどちらも「支払った賃金総額」×「保険料率」によって決定されますが、雇用保険と労災保険それぞれで異なります。ここでいう「支払った賃金総額」には、賞与や、通勤手当のような手当類も含まれます。

 

・労災保険

労災保険の対象は、「雇用形態に関わらずすべての従業員」です。役員は除きますが、役員が従業員も兼ねているような場合は含まれます。それらの人に支払った賃金の合計に、労災保険料率をかける事になります。労災保険の保険料率は業種によって異なります。平成27年以降現在まで改定されていません。

 

厚生労働省HP:労災保険料料率表(H27~)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/dl/rousaihokenritu_h27.pdf

 

・雇用保険

雇用保険の対象は「雇用保険に加入しているすべての従業員」となります。雇用保険の加入条件は前述の通りです。雇用保険料率は、平成29年4月1日より改定されており、料率は、一般の事業では本人負担3/1000、会社負担6/1000の合計9/1000となります。雇用保険料率に関しては以下の記事もご参照ください。

 

SR人事メディア「二年連続!雇用保険料率引き下げ」

https://media.o-sr.co.jp/news/news-15674/

 

※ただし、メリット料率が適用されている場合はそちらの両立が優先されます。

 

労災保険、雇用保険それぞれの、昨年度の保険料の合算が、今回申告すべき確定保険料になります。

そして、今年度の概算保険料の算定には、基本的には確定保険料を計算する際用いた賃金総額をそのまま用います。ただし、前年度と比べて、2倍以上になる場合や2分の1以下になる場合は、その見込額を用いることになります。他にも、前年度が12か月に満たない場合などの事情がある場合には、確定保険料の賃金総額をそのまま用いない場合があります。この賃金総額に料率をかけて、今年の概算保険料額が決まります。

 

・一般拠出金

平成19年4月1日より石綿健康被害救済法に基づき、労働保険料とともに徴収される一般拠出金が制定されました。労災保険が適用されるすべての事業主が対象であり、料率は1000分の0.02となっています。これも労働保険料とあわせて申告・納付します。

 

・最終的な金額

「昨年行った概算保険料額と、今回確定した確定保険料額の差額」+「今年度の概算保険料額」+「一般拠出金」が、最終的に今回の年度更新で納めるべき金額となります。このとき概算保険料納付額が40万円以上の場合、3回に分けて延納することができます。

 

・申告、納付期限

年度更新の期間は、7/10までです。保険料の申告だけでなく、納付もこの期間内に行わなければならないので、忘れず行うようにしましょう。

年度更新に関して、分からないこと、困ったことなどがあれば、お気軽に当HPの無料労務相談をご利用ください。

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