【働き方改革関連法案成立!】平成35年4月1日~施行【経営リスク】中小企業の60時間超の残業代が2割5分⇒5割 深夜は75%!!

平成35年4月1日から、中小企業(※1)における月60時間超の時間外労働への割増賃金率の適用猶予が廃止される法律案が提出されました。平成22年の労働基準法改正で1ヶ月あたり60時間を超える時間外労働に対して5割の割増率で計算した割増賃金を支払うことが決定されましたが、中小企業は当面の間割り増し率の適用が猶予されていました。(労働基準法138条)平成26年8月ごろから猶予を見直すことが検討されていましたが、このたび平成35年の4月1日から割増賃金率の適用猶予の廃止とする法案内容となりました。労働基準法等の一部を改正する法律案の概要では、当初平成31年4月1日から猶予廃止の予定でしたが、最終的には平成30年4月6日「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」を閣議決定し、第196回通常国会に提出された法案が可決されると、平成35年4月1日から適用猶予が廃止されることとなります。

平成30年6月4日現在、法律案が衆議院で可決されました。ただし、与党から法案の修正案が提出されているようで、その詳細については開示されておりません。厚生労働省の担当者に確認した限りでは、中小企業猶予措置の廃止時期は修正されていないとのことでした。今後参議院で議決されるかどうか、またその後のプロセスにおいて修正されることなく法律が成立されれば、月60時間を超える時間外労働に対する割増についての中小企業猶予措置の廃止時期は平成35年4月1日となります。

 

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2018年7月2日 追記

6月29日の参院本会議にて、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案が可決、成立しました。 施行日は平成31年4月1日となり、対応を検討していかねばなりません。今後、詳細情報が公開されましたら、随時加筆していきます。

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本件の問題

疲労による生産性低下

夜遅くまで仕事をするより、朝早く来てスッキリした頭で仕事したほうがスピーディに仕事ができたという経験は皆さんあるのではないでしょうか。60時間を超える残業がある場合、一概には言えませんが疲労により生産性は落ち、質の高い仕事ができていない可能性があります。

生産性低下しているのに1.5人分の人件費

生産性が低下しているのにもかかわらず、人件費は1.5人分かかることになります。

過労による労災リスク増加

過労がたまると労災リスクは高まります。過労死ラインは80時間だと考えられています。

離職リスク

そして、社員のモチベーションが低下し離職に繋がるリスクがあります。

採用コストの発生

社員が長時間労働により、モチベーションが下がり退職してしまった場合、新たに後任を採用する必要があります。

 

未払い残業代があったとき

労働基準法の理解不足や勤怠管理上の問題、管理上の問題で残業代の未払いが発生していた場合、社員からの訴訟リスクがあります。民法改正により、賃金債権の短期消滅時効の見直しがあり、現在、未払い残業代の請求は2年遡ることができますが、5年まで遡れることになる可能性があります。このとき、普通残業代だけで2倍になることと、さらに過去5年分の未払い残業代が請求されることとなり、簿外債務が膨れ上がることとなります。

 

対応策

①労務リスク精査

現状の勤怠管理に問題がないか確認し、リスクの芽を積んでおくことが重要です。現状の勤怠集計方法と、法定通りの勤怠集計方法とでどれくらいの乖離が出るのか、一度精査しておくことでリスク額が算定できます。勤怠計算に問題は無くても、現場のマネジメント上の問題として、上司が部下にサービス残業を強いていることがあります。本社はサービス残業を指示していなくても、現場のマネージャーがコスト削減意識から誤った勤怠管理を行っていることもよくあるケースです。総合的に労務リスクを精査しておかなければ思わぬところから多額の簿外債務が発生する可能性があります。

②ムリ・ムダの削減

リスクをなくしたうえで、ムリ・ムダをいまのうちに削減していきましょう。人員を増やして1人あたりの残業を減らすことで、本件の問題を解決していくことが第一かと思われます。アウトソーシングや派遣、契約社員の利用も検討してください。

人事部を一例にあげると、給与計算や社会保険手続き業務、電話対応、社内文書の処理といった目の前の業務に追われてしまい、未来のためのアクションができていないことが多々あります。日常業務をいかに効率化して、未来のための業務に重点をシフトしていくかということを考えていかなければなりません。現状を打破するための1つの方法としてアウトソーサーを活用するというものがあります。給与計算や社会保険手続き業務に精通したスタッフが、正確かつ迅速に業務を行うため、会社、社員の安心安全が期待できます。そして人事の本業である未来のためのアクションに必要な時間を確保することができます。

業務効率化の方法はいくつか挙げられます。機械の導入、作業フローの見直し、マニュアル化、社員研修等の啓蒙活動。身近に取り組めるのが、マニュアル化です。AIの活用なども視野に入れておきたいところです。

 

最後に

平成35年4月1日から中小企業において月60時間以上の残業時間の割り増し賃金率が引き上げられる法案が可決され、成立した場合、コスト増加や未払い残業代支払いリスクが大きくなります。過重労働リスク・離職リスク・採用コスト増加など、そもそも多くのリスクを抱える働かせすぎることに先手を打って対策を行い、法改正でも揺らがない体制を構築するタイミングがきているのではないでしょうか。

 

中小企業とは(※1 補足)

資本金の額又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については5000万円,卸売業を主たる事業とする事業主については1億円)以下である事業主、及びその常時使用する労働者の数が300人(小売業を主たる事業とする事業主については50人,卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下である事業主をいう。

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