【経営リスク】中小企業の60時間超の残業代が2割5分⇒5割 深夜は75%!!

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平成31年4月1日から、中小企業(※1)における月60時間超の時間外労働への割増賃金率の適用猶予が廃止されます。平成22年の労働基準法改正で1ヶ月あたり60時間を超える時間外労働に対して5割の割増率で計算した割増賃金を支払うことが決定されましたが、中小企業は当面の間割り増し率の適用が猶予されていました。(労働基準法138条)平成26年8月ごろから猶予を見直すことが検討されていましたが、このたび平成31年の4月1日から割増賃金率の適用猶予の廃止が決定しました。

月60時間を超える深夜労働は75%の法定割増賃金率に!

以下の前提で、どれくらい残業代が上がるかシミュレーションしてみましょう。

【前提】

定時:9時~18時

退勤時間:24時

所定労働日数:23日

時間単価:2,000円

 

①最初の10日で60時間を超える

4時間(18時~22時)×10日=40時間

→2,000円×40時間×1.25%(割増率)=100,000

2時間(22時~24時)×10日=20時間

→2,000円×20時間×1.5%(深夜割増率)=60,000円

 

計60時間 160,000円

 

②残り13日

4時間(18時~22時)×13日=52時間

→2,000円×52時間×1.5%(割増率)=156,000円

2時間(22時~24時)×13日=26時間

→2,000円×26時間×1.75%(深夜割増率)=91,000円

計78時間 247,000円

 

③合計額

残業時間だけで、407,000円と高額になります。

(従来の割増率では368,000円であり、39,000円の増額となります。)

 

人件費面でもそうですが、そもそも体調面でも何か対策を打つ必要があります。

 

今後はより残業時間に対する行政指導の強化が推進される

「労働基準法等の一部を改正する法律案要綱」の答申にて平成28年の4月から、健康確保のために時間外労働に対する指導が強化されると記載されています。 時間外労働に関する行政官庁の助言指導に当たり、「労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない」とされており、ますます社員の労働時間について配慮しなければならない状況となってきています。また、36協定の特別条項の限度時間が月100時間に達した場合に行う労働基準法の立入調査が月80時間まで引き下げられることも決まっています。

 

36協定の特別条項時間の上限が検討されている

政府は働き方改革実現会議にて、現在は事実上上限がない36協定の特別条項の上限時間を平均60時間とする方向で検討しています。繁忙期は月100時間、2か月で月平均80時間など、例外的な措置も含めて協議されている最中であり、明確なことは言えませんが、昨今の過労死問題や長時間労働問題などの事件をきっかけとして、過重労働問題に対する問題意識が政府、国民ともに高まっています。平成29年2月14日時点での働き方改革実現会議において、長時間労働是正に向け、残業時間の上限を年720時間、月平均60時間とする事務局案を提示しました。繁忙期の時間外労働の上限を100時間まで認める案を検討してきましたが、労働側から長すぎるとの批判があり、今回は盛り込まれておりません。3月末までに実行計画をまとめる予定であるため、動きがあればまた追記します。また、残業時間の上限を月平均60時間、年720時間とすることを経営側が受け入れるという方針です。

 

【永久保存版】「36協定」とは!?

https://media.o-sr.co.jp/news/news-14515/

法改正の方向性

<原則>

①36協定により、週40時間を超えて労働可能となる時間外労働時間の限度を月45時間、年360時間とする

※上限は法律に明記し、上限を上回る時間外労働をさせた場合には、次の特例の場合を除いて罰則を課す

<特例>

②臨時的な特別の事情がある場合として、労使が合意して労使協定を結ぶ場合においても、上回ることができない年間の時間外労働時間を1年720時間(月平均60時間)とする。

③②の1年720時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限上回ることのできない上限を設ける。

④月45時間を超えて時間外労働をさせる場合について、労働側のチェックを可能とするため、臨時的に特別な事情がある場合と労使が合意した労使協定を義務付ける。

 

 

 

これはもう対策をせざるを得ない

①人員を増やして1人あたりの残業を減らす(アウトソーシングや派遣、契約社員の利用も)

人事部を一例にあげると、給与計算や社会保険手続き業務、電話対応、社内文書の処理といった目の前の業務に追われてしまい、未来のためのアクションができていないことが多くあります。そして今回の残業時間5割によるコスト増。日常業務をいかに効率化して、未来のための業務に重点をシフトするかということを考えていかなければなりません。現状を打破するための1つの方法としてアウトソーサーを活用するというものがあります。給与計算や社会保険手続き業務に精通したスタッフが、正確かつ迅速に業務を行うため、会社、社員の安心安全が期待できます。そして人事の本業である未来のためのアクションに必要な時間を確保することができます。

②業務効率化を推進する

業務効率化の方法はいくつか挙げられます。機械の導入、作業フローの見直し、マニュアル化、社員研修等の啓蒙活動。身近に取り組めるのが、マニュアル化です。 【限定ノウハウ公開】 マニュアル作成方法!!

 

 

 

最後に

平成31年4月1日から中小企業において月60時間以上の残業時間の割り増し賃金率が引き上げられることで、残業時間を減らす余裕のない企業や労務を後回しにしている企業は残業代を支払わないこと・サービス残業をさせてしまうといった対応をしてしまいがちです。このとき、労働基準監督署の立入調査を受け未払い賃金の支払いを命じられることや、ハローワークにて求人受付を拒否されること等リスクは残業代を支払った総額より大きくなるでしょう。先手を打って対策をしリスクが現実となる前に法改正でも揺らがない体制の構築をするタイミングがきているのではないでしょうか。

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中小企業とは(※1 補足)

資本金の額又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については5000万円,卸売業を主たる事業とする事業主については1億円)以下である事業主、及びその常時使用する労働者の数が300人(小売業を主たる事業とする事業主については50人,卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下である事業主をいう。


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本澤 彰一

本澤 彰一

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