【次年度に向けて】昇格・昇進・昇給のための人事評価
2016年が始まって半月。
年が明けて、次年度に向けての準備を始めている人事担当者の方も多いのではないでしょうか?
今回は、次年度の昇格・昇進・昇給のための人事評価についてお知らせします!
目次
昇格・昇進・昇給のための人事評価
人事評価は、何のために評価をするかという目的によって、いくつかに分類されます。
昇格・昇進者を決定するための「昇格・昇進考課」、社員各自の昇給額を決定するための「昇給考課」は、次年度に向けて準備を行うこの時期に行う企業が多いようです。
評価結果をどのように使用するかという目的によって、評価対象も異なります。
賞与は、一般的に各期の業績により支給額を決めるため「成果評価」の結果を重視しますが、一方で、昇給・昇格は、安定的に発揮できる能力を見極めるために「能力評価」や「情意評価」の結果を重視する傾向があります。
能力評価:判断力や統率力のように、仕事をする過程で発揮していた能力を評価の対象とする。
情意評価:積極性や法令順守(コンプライアンス)等、仕事の取り組み姿勢や勤務態度を評価の対象とする。
一般的に、能力評価や情意評価は評価用紙も用いて実施されます。評価担当者が評価基準に基づいて評価を行い、その後評価者の上位の管理職がチェックを行った上で、評価用紙を人事部に提出します。
しかし、この能力評価や情意評価は定性的な評価となるため、曖昧なものになりやすい、という特徴もあります。
人事評価に対する社員からの意見
ここで、「人事評価に関する意識」に関するインターネット調査の結果についてご紹介したいと思います!
http://jinjibu.jp/news/detl/8985/ (日本の人事部HP)
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日本経済新聞社とNTTコムリサーチは、20代~50代のビジネスマンを対象に「人事評価に関する意識」についてインターネットでアンケート調査を実施しました。
(1) 人事評価に3割が、人事評価の仕組みに4割が「不満」
人事評価に満足しているかについてたずねたところ、「満足」と答えた人はわずか3.2%。「どちらかというと満足」(19.7%)を合わせた満足度は23.0%に留まりました。一方、不満(不満+どちらかというと不満)は満足を上回って33.7%。年代別でみると、年代が高い層ほど不満が高い傾向がみられます。
また、人事評価の仕組みに対する満足度は前述の人事評価満足度と同様の傾向がみられ、「不満(不満+どちらかというと不満)」は37.8%で「満足(満足+どちらかというと満足)」(19.0%)を約2倍も上回りました。特に、30代以上になると不満が高くなる傾向がみられます。
(2) 人事評価の不満理由は「評価基準が不明確」
“人事評価に不満”と答えた355名の不満理由は「評価基準が不明確」が7割で突出して高くトップ。以下「自らが考える評価に比べ低い」「評価が恣意的で不公平」が4割で続いています。
“人事評価の仕組みに不満”と答えた398名の不満理由は、「評価基準が明確に示されていない」(41.0%)、「評価者の好き嫌いで評価されてしまうため」(38.7%)、「評価者が直属の上司しかおらず、評価が一面的」(24.9%)、「上司など評価者が自分の仕事ぶりをよく把握していない」(24.6%)などの『評価基準が曖昧』といった項目が上位にあがりました。
(3)フィードバックがある層の人事評価満足度は高い
人事評価のフィードバック状況は、「フィードバックされている」が54.9%で半数を超えています。
フィードバック有無別で人事評価満足度・人事評価の仕組みに対する満足度をみると、フィードバックの有無によって満足度の評価は異なり、フィードバックがある方が評価の満足度が高いという結果となりました。
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上記のとおり、人事評価に対する不満の大半は「評価基準の不明確さ」であることがわかります。
営業成績やコスト削減額など、目に見える業績を対象とする成果評価とは異なり、能力や勤務態度など定性的な評価を行う能力評価や情意評価は曖昧になりやすい特徴があります。大切なのは、いかに社員に「納得」してもらうか、です。
社員に納得してもらうための1つとして、被評価者に対するフィードバックが挙げられます。人事評価に関してフィードバックを行う企業の方が、フィードバックが行われない企業よりも人事評価に対する満足度が高くなることが、調査の数値にも表れています。一方的に評価するだけではなく、なぜそのような評価になったのか、どの点を評価したのか等の説明をする場、意見を発信できる場を設けることによって、自己評価とのギャップの解消や、個人の今後の能力開発に役立てることができます。
また、評価は適切に行ったにもかかわらず、その結果をフィードバックする時の対応や話法の稚拙さから、納得性を損ねてしまった、という事態になることも… フィードバックにおいては、事前に日時・場所を決めておき、たっぷり時間をとることに留意したほうがいいかもしれません。
大石夏実
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