丸投げになってない? OJTをさらに効果的に実施するために
こんにちは、2016年度内定者の大石です。
日本の企業に人材育成の制度として最も取り入れられているOJT(On-the-Job Training)。
来年の4月に新入社員になる私も 社員教育・OJTは非常に気になります。
そのOJTに関して気になる調査がありました。
http://www.hj.sanno.ac.jp/cp/page/5597 (データで読み解く人材開発の現状)
この調査をみて、OJTをより効果的に実施するためにはどうすればいいのか気になりましたので、
3週に渡って、OJTの内容、メリット・デメリット、課題、改善点などの観点からOJTに迫っていきたいと思います。
OJTの実施状況とメリット
新卒採用者に対してはOJTを「実施している」とした企業が86.9%に達しています。
まったくビジネス経験のない新卒を戦力化していくにあたって、一定期間、計画的OJTによって育成していくやり方が日本企業において一般的であることがあらためて確認できます。中途採用者への実施率42.9%と比較すると、OJTは相対的に新卒採用者の育成において重視されている方法だといえます。
およそ9割の企業が実施するOJT。
指示されるのは以下のようなメリットがあるためです。
○日常的に行われるため業務即した内容を指導できる。
○教育のための時間を取る必要がない。
○マン・ツー・マンできめこまかく指導できる。個人のレベルに合わせた目標が設定できる。
○費用が安い。教育訓練施設を作る必要もなく現場で訓練できる。
財政の厳しく社員教育にかける予算が削られた場合でも、低コストのOJTなら対応できる。
社会経験のない新入社員に対して細やかな指導ができる。
また、面と向かってコミュニケーションを取ることで相互理解や関係構築にも役立つ。
以上のようなメリットがあるため、およそ9割の企業でOJTは取り入れられてきました。
OJTは本当に機能していますか?
では、計画的OJTはうまく機能しているのでしょうか。
計画的OJTの機能状況を尋ねた調査結果では、肯定的な回答(「機能している」「どちらかといえば機能している」)が6割強を占めたものの、「機能している」とした企業は全体の12.6%に留まりました。
「機能している」企業以外は、程度の違いはあっても何らかの課題を抱えている企業が多いと思われます。また、規模別に見ると規模が小さくなるほど、機能しているとする回答が少なくなる傾向があります。
機能していない理由では、
「教える側に時間的な余裕がないから」(73.5%)
「仕組みが整備されていないから」(45.6%)
「教える側の能力が不足しているから」(42.6%)
が上位を占めており、OJTのデメリットを反映した結果となりました。
OJTのデメリット
○指導者の時間・負担が大きい
○指導者の指導力によって効果は大きく左右される。(指導者の資質、能力、態度など)
○基礎的・系統的な理解が困難
OJTは系統的に管理することが難しく、各担当者の裁量に任されているのが現状です。
こうした状況を克服するためには、
◎ OJT担当者の業務量の調整やOJTの仕組みの整備
◎ OJT担当者の能力向上
が課題となります。
OJT担当者に対する教育は本当に役に立っているのか?
このような状況の中で、人材開発部門は現場のOJT活動に対して、どのような支援を行なっているのでしょうか。
OJT担当者に対する教育の実施状況を見てみると、実施企業は43.7%に留まりました。
具体的な教育の内容は、
「OJT担当者の役割や心構えに関すること」(83.9%)
「コーチングなどの教え方に関すること」(57.5%)
「OJTの実施計画づくりなど、教える内容に関すること」(49.4%)
と続き、
「OJT終了後のフォローアップ」は16.1%に留まっています。
実施企業でも、役割などが中心で具体的な方法論やスキルについての教育は必ずしも行なわれておらず、こうした状況が「OJT担当者の能力不足」につながっている可能性が考えられます。また、フォローがほとんど行なわれていないことから、OJTのPDSサイクルがきちんと回っていない状況がうかがえます。
教育以外の支援では、育成対象者の声やOJT担当者の悩みや成功体験を、人材開発部(OJTを推進する部門)が吸い上げている企業は少数に留まり、「特に支援していない」企業も3割に達しています。一定の関わりは持っているものの、現場に対する深い働きかけはあまり行なわれていないようです。
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では、この状況をうけて、実際にはどのような対策・改善を行えばいいのでしょうか?
次回は、OJTをより効果的に実施するためのポイントをお伝えしていきます。お楽しみに!
大石夏実
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