「生産性」ってなんだ?!平成29年度の助成金傾向を要確認!
今年度の助成金も出そろいましたが、今年度のキーワードはずばり“生産性”です。過去の「既卒採用」「IT研修」といったキーワードに比べると「あまりピンとこないな…」という方も多いのではないでしょうか。
日本の人口が減少する中、「生産性をあげることが急務である」というのが現政府の方針となっているため、助成金にもそれが反映された形になっています。
では、これが助成金にどのように影響しているのでしょうか。
流れとしては、助成金がもらえるような様々取り組みを会社として行い、それにより生産性がアップしたと認められれば、もらえる助成金の額がアップした生産性に応じてアップする!という内容になっています。(助成金の種類によっては関係ないものもあります。)
具体的に見ていきましょう。
①「生産性」はどう求めるの?
生産性は下記の計算式で求められた数値、と定義されています。
生産性 ゠(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)÷ 雇用保険被保険者数
この計算式を使用し、支給申請を行うタイミングで締まっている直近の会計年度とその3年前の数値をそれぞれ算出します。
②「生産性」のアップとは?
以下のAもしくはBの要件に当てはまれば生産性アップが認められ、助成金も増額されます。
A ①で計算した結果、直近の数値が3年前にくらべて6%以上のびていること
B ①で計算した結果、直近の数値が3年前にくらべて1%以上(6%未満)伸びていること、かつ金融機関から一定の「事業性評価」を得ていること
Bで出てくる事業性評価とは、都道府県労働局が会社と与信取引等のある金融機関に下記の照会をかけ、その回答によって増額するかの判断を行うことを指します。照会内容としては下記の通りです。
企業の事業に関する見立て
・市場(市場の成長性等)
・競争(競争優位性等)
・事業特性(事業の経済性等)
・ユニークネス(経営資源・強み等)
つまり、これらの内容から、「成長性のある企業である」ということが判断されれば、直近の生産性が6%伸びていなくてもOKになるということですね。
③実際の提出書類は?
もちろん申請時は「6%のびています!」と主張するだけでは判断の材料にはなりません。そのため資料が必要です。
「生産性要件算定シート」の記入とそこに記入した数字の根拠となる会計資料を添付しての申請となります。ご留意ください。
④「生産性」が設定される助成金の具体例
では、実際にどのような分野で助成がされるのかを見ていきましょう。雇用維持や障害者の雇用環境整備など一部の助成金を除いた以下の助成金が対象となります。
◇再就職支援関係
労働移動支援助成金:
早期雇入れ支援コース(※)、人材育成支援コース(※)、移籍人材育成支援コース(※)、中途採用拡大コース (※)のコースは生産性要件が複数ある支給要件のひとつとなっています。
◇雇入れ関係
地域雇用開発助成金:
地域雇用開発コース
◇雇用環境の整備関係
職場定着支援助成金:
雇用管理制度助成コース、介護福祉機器助成コース、保育労働者雇用管理制度助成コース、介護労働者雇用管理制度助成コース
人事評価改善等助成金
建設労働者確保育成助成金:
認定訓練コース、技能実習コース、雇用管理制度助成コース、登録基幹技能者の処遇向上支援助成コース、若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース、女性専用作業員施設設置助成コース
65歳超雇用推進助成金:
高年齢者雇用環境整備支援コース、高年齢者無期雇用転換コース
注)当該助成金は、生産性の伸び率が1%以上(6%未満)である場合の金融機関への事業性評価の対象外となっています
◇仕事と家庭の両立関係
両立支援等助成金:
すべてのコース:事業所内保育施設コース、出生時両立支援コース、介護離職防止支援コース、育児休業等支援コース、再雇用者評価処遇コース、女性活躍加速化コース
◇キャリアアップ・人材育成関係
キャリアアップ助成金:
すべてのコース(正社員化コース、人材育成コース、賃金規定等改定コース、健康診断制度コース、賃金規定等共通化コース、諸手当制度共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コース)
人材開発支援助成金:
すべてのコース(特定訓練コース、一般訓練コース、キャリア形成支援制度導入コース、職業能力検定制度導入コース)
◇最低賃金引き上げ関係
業務改善助成金
まとめ
いかがでしたでしょうか。
なお、「創業して2年だけどどうしたらいいの?」といったご質問をよく頂戴しますが、現時点ではこれについての救済措置のようなものでは出ておらず、創業して少なくとも4年経過していないと増額の申請はできません。
少し書類の準備は大変かもしれませんが、最大で20%金額が増額されますので、助成金の支給申請をする際には忘れずに対応しましょう!!
弊社では申請代行も行っております。助成金に興味はあるけどよくわからない、対応する時間がない!という方はこちらまでお問合せください。
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