社員からの内部通報への対応はどうすべき?

会社内でパワハラがあるという内部通報がありました。内容としては、日常的な暴言に加えて、上司が部下を殴る・突き飛ばすといった身体的な暴力(暴行)も含まれています。内部通報をしたのは、実際にパワハラを受けている従業員です。この従業員が内部通報したことによってさらなるパワハラを受けないよう、会社が取るべき対策を教えてください。

回答

パワハラ等の内部通報があり、通報者本人が被害者である場合、会社は通報者が報復や二次被害を受けないよう保護する必要があります。これは労働施策総合推進法第30条の2に基づく法的義務であり、パワハラの犯罪性の有無にかかわらず適用されます。また、今回は殴る・突き飛ばすといった暴行を伴っているとのことですので、暴行罪に該当し得る部分については、公益通報者保護法による保護も重ねて及びます。押さえるべきポイントは次の3つです。

① 通報した人が誰か分からないようにする
通報者の氏名や通報内容は、加害者側に伝わらないよう厳重に管理します。調査の際も「複数の従業員に同じように話を聞く」など、誰が通報したか特定されない進め方をします。
(公益通報者保護法 第11条・第12条)

② 通報を理由に不利益な扱いをしない
通報したことを理由に解雇する・降格する・不利益な部署へ配置転換する、といった仕返しは法律で禁止されています。就業規則等の社内ルールにも「通報者に不利益な取扱いはしない」と明記しておきます。
(公益通報者保護法 第3条・第5条)

③ 通報後も様子を見守り、仕返しがあれば厳しく対応する
通報して終わりにせず、その後も本人の状況を定期的に確認します。相談窓口を機能させ、仕返しにあたる行為があれば加害者を懲戒処分にするなど毅然と対応します。
(公益通報者保護法 第11条)

2026年12月施行予定の改正法では、通報者探索の禁止(第11条の3)・通報妨害の禁止(第11条の2)、通報後1年以内の解雇等は通報を理由とすると推定する規定などが新設されます。施行前でも、これらを先取りした運用にしておくと通報者保護がより確実になります。
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