雇用形態変更に伴う社会保険手続きの3つのポイント

フルタイムのパート社員が、雇用形態変更により正社員になります。

パート社員のときに社会保険には加入済みですが、正社員となる場合資格得喪手続きやその他必要な手続きがありますでしょうか。

回答

労働関係が継続しているため、資格の喪失・再取得の手続きは不要です。
ただし、パート時の加入状況によっては月変とは別に「被保険者区分変更届」の提出が必要になるなど、いくつか注意すべきポイントがあります。以下に具体的な対応をまとめました。
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1. 資格の得喪手続きは不要(継続加入)
パートから正社員への登用は、同一労働契約内での労働条件の変更(雇用関係の継続)とみなされるため、社会保険を一度脱退して入り直すような資格喪失・取得の手続きは不要です。

2. 「被保険者区分変更届」が必要か確認する
パート時代の「社会保険の加入基準」がどちらだったかによって、追加の手続きが必要になります。
• ケースA:「短時間労働者」として加入していた場合 (週の所定労働時間が20時間以上30時間未満など、短時間労働者の特例で加入していた場合)
正社員(一般被保険者)への変更となるため、雇用形態変更から5日以内に「被保険者区分変更届」を日本年金機構(年金事務所)や健康保険組合へ提出する必要があります。
• ケースB:正社員の「4分の3基準」を満たして加入していた場合 (パートであっても週の労働時間・月の日数が正社員の4分の3以上あり、一般被保険者として加入していた場合)
被保険者の区分自体は「一般被保険者」のまま変わらないため、区分変更届の提出は不要です。

3. 随時改定(月変)の対応
雇用形態が変更になり、時給から月給への変更や基本給・手当(通勤手当や役職手当など)が変更された場合は「固定的賃金の変動」に該当します。以下の条件をすべて満たした場合に、「月額変更届」を提出します。
1. 固定的賃金に変動があった。
2. 変動月(※)以降、継続した3ヶ月間の支払基礎日数がすべて17日以上ある。
3. 3ヶ月間の報酬の平均額と、従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた。
※変動月のカウント注意点(給与の締め・支払い日)
• 当月払い(例:当月20日締め・当月25日払い):正社員になった月が「変動月(1ヶ月目)」となります。
• 翌月払い(例:当月月末締め・翌月10日払い):正社員としての給与が「初めて支給された月」が「変動月(1ヶ月目)」となります。
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《参考》
•日本年金機構公式HP:随時改定(月額変更届)https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-02.html
•厚生労働省:「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」の一部改正について(問1-3)https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7791&dataType=1&pageNo=1
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