入社時から育児時短勤務を行った場合の育児時短就業給付金申請

2歳未満の子を養育する従業員が入社しました。
入社時から育児時短就業を行いますが、育児時短就業給付金はどのように申請したらよいでしょうか?なお前職では育児時短就業給付金の申請は行っていなかったようです。

回答

「育児時短就業給付金」は、原則として事業主(会社)からハローワークへ申請を行うことになっています。前職で育児休業中に退職されたとのことですが、育児時短就業給付金の申請は、現在の会社で行うことになります。特に、前職で育児休業給付金の支給申請を行っていない場合は、現在の会社で「育児時短就業開始時賃金の届出」「受給資格の確認」、そして「支給申請」を同時に行うことになります。その際、前職の情報が必要となる可能性があります。

1.会社のすべきこと(原則として事業主が行います)
  育児時短就業開始時賃金の届出(受給資格確認)と初回の育児時短就業給付金支給申請を同時に
  行います。
  ・提出期限は、育児時短就業を開始した日の翌月の初日から4か月以内です。
   例:11月21日に時短就業を開始した場合、12月1日から3月31日まで

2. 主な必要書類
  ハローワークに提出する書類は主に以下の通りです。
  ※従業員の方から会社に提出してもらう必要がある書類もあります。
  ①育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金支給申請書
    従業員の受給資格確認と初回の支給申請を兼ねています。
  ②雇用保険被保険者所定労働時間短縮開始時賃金証明書
    短縮開始前の賃金などを証明する書類です。
  ③賃金・勤務状況を確認できる書類
    賃金台帳、出勤簿、労働条件通知書、育児短時間勤務申出書など
    育児時短就業開始日より前の2年間について、被保険者期間の確認に必要です。
  ④子の出生年月日を確認できる書類
    母子健康手帳(写し)または住民票など
    2歳未満の子の養育の事実を確認します。
  ⑤前職の離職票(雇用保険被保険者離職票-2)の写し
    転職している場合、前職での雇用保険加入期間を通算して受給資格を判定するために必要
    となります。
    従業員の方に、前職から発行された「離職票-2」の写しを提出してもらう必要があります。
   

3.従業員の方(被保険者)の期間通算について
  育児時短就業給付金の受給資格を得るには、「育児時短就業開始日の前2年間に、賃金支払基礎
  日数が11日以上ある月が12か月以上」といった要件を満たす必要があります。
  今回のケースのように転職されている場合、前職の雇用保険加入期間も通算して判定できますが、
  そのためには以下の3点を満たす必要があります。
  ・前職でも雇用保険に加入していたこと。
  ・前職を離職後に基本手当(失業給付)の受給資格を取得していないこと。
  ・前職の離職後、現職へ再就職するまでの間に1年以上の空白期間がないこと。
  この確認のために、前述の通り前職の「雇用保険被保険者離職票-2」の写しが必要となる可能性が
  高くなります。

なお施行されたばかりの新しい制度ですので、所轄のハローワーク*に、今回のケース(入社時からの時短、前職は育休中に退職)を具体的に説明し、必要な書類や手続きの具体的な指示を仰がれるのが確実です。
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