失業保険受給予定者は扶養に入ることができるのか?

従業員の奥様よりご自身の退職に伴い扶養追加のご希望がありましたが、数か月以内に失業給付を受給する見込みがあることが判明いたしました。

この場合、加入はできるのでしょうか?

回答

仕事を退職して現在働いていない場合、家族の扶養に入るという方も多いのではないでしょうか?
生計を一にしている配偶者が退職をした場合、雇用保険から失業給付を受給する場合があります。
受給開始時期は退職理由によりさまざまです。

多くの場合、退職後は無収入となる為、退職日の翌日から「扶養追加」手続きが可能です。
その後、失業給付を受給される方についてポイントとしては以下の通りです。

失業保険も収入とみなされる為、1年間受給したときの年収が130万円に達するかどうかで扶養に入れるかが判断されます。
ハローワーク窓口で手続きを行い待機期間(受給手続きから失業したまま7日間)の後、更に給付制限期間が設定されております。
その為の判断基準になるのが「雇用保険受給資格者証」に記載されている「基本手当日額」です。

〇年間収入見込みは〝日額×360日で考えます。
 扶養追加の収入要件の基準は、「年130万未満」ですので・・・
 60歳未満の場合 1,300,000÷360日≒3,612円
 従って3,612円未満であれば被扶養者として継続ができます。
 60歳以上の場合 1,800,000÷360日≒5,000円 扶養追加の条件年収が180万未満
       :
 ※この130万円には失業手当の他、出産手当金・疾病手当金・交通費なども含まれます
 更に扶養者と同居の場合には、収入が扶養者の半分未満であること
 非同居の場合は、収入が扶養者からの仕送りの金額未満であることが前提となります

「基本手当日額」が3,612円以上であった場合の扶養非該当として削除するタイミングは、〝待機満了日”翌日が支給開始日となります。 

扶養家族として加入ができるか否か?従業員よりよく質問をいただく場面も多いです。
上記を踏まえて、以下のご案内をするようにいたしましょう。
●退職後の収入はあるか?
●今後、失業等給付の受給予定はあるか?
→予定がある場合、「雇用保険受給資格者証」の写しを提示していただく

失業保険を受け取るまでの期間扶養に入る方法のメリットとして、待機期間の社会保険料の個別負担がなくなることです。デメリットとしては、厚生年金を納められない為将来受け取れる年金を増やせない、扶養に入る・扶養から外すといった手続きが煩雑であることです。
失業保険の受給期間が終わった時点で再度扶養に入る場合は、別途手続きを行うことになります。

ただし、扶養のルールは健康保険組合によって異なる場合があります。
家族や自分自身が加入している健康保険組合での手続きを正しく理解した上で申請することが大切です。
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