EXILE軍団はブラック?労務問題、いじめ、パワハラ、過労死問題は放置?世界的DJがEXILE軍団加入の不安と衝撃!!!
7月24日のニュースで、推定年収19億円とも言われるオランダの音楽プロデューサー兼DJであるアフロジャック(Afrojack・28)が7月22日、EXILEや三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEが所属する芸能事務所「LDH」とマネージメント契約を結んだことが明らかになりました。
これに対して、LDHが14日発売の『週刊文春』(文藝春秋)で社内のイジメ問題、いわゆる”ブラック企業”疑惑が取り沙汰されていただけに「そんな有名人と契約を結んで大丈夫なのか」と心配の声なども多いです。同誌によれば、役員ら所属タレントによる社員へのパワハラ行為が横行するほか、残業代未払いの超長時間労働が常態化し、新入社員が半年ほどで全員退職するほどの事態に陥っているといいます。
http://news.livedoor.com/article/detail/11801056/
LDHは同誌の取材に対し、「1カ月ほど前からコンプライアンス体制構築を専門とする弁護士に依頼して幹部に対する指導や研修を実施」したとしていますが、上記が事実であれば、LDHは企業としてどのような責任を問われるのだろうか。社労士法人として労務問題について解説していきます。
このニュースと関わる労務問題は、5つを取り上げられます。
1.パワハラ問題
2.残業代未払い問題
3.職種による労務管理問題
4.長時間労働問題、過労死問題、ストレスチェック問題
5.採用問題
1. パワハラ問題?
EXILEが所属する事務所「LDH」の元社員4名が、社内で陰湿なイジメがあったことを週刊文春を通じて告発しました。
この告発内容を要約するとHIROが社長を務めるLDHにて、1人は大阪の路上で土下座させられ、2人目の社員はラーメン10杯の完食を強要されました。3人目の社員は営業宣伝部部長を激怒させた報いで頭を丸刈りにさせられました。
雇用契約とは労働者が使用者の指揮命令に従って労働を行うことが本質です。そのため、働くうえでは上司から部下に指示・命令が行われるのは当然だし、部下がこれに従わなければならないことも当然です。また、会社はどのような指示・命令を行うかについて決定権があるため、労働者は自身の意に反する場合でも、これに反することはできないのが原則です。
しかし、このような決定権も無制限ではなく、社会通念上許されない指示・命令は認められません。「パワハラ」とは、このような社会通念上許されない指示・命令(その他対応)を意味します。以上の告発内容は、従業員としては「私の労働力をそんなことに使うことを会社に委ねたことはありません」となり得るでしょうから、この点でも労働法上の問題が残ります。
ですから、「どこまでが業務の適正範囲なのか」は、職場によって違うため、企業側がその範疇を明確にする取り組みをしていく必要があります。
2.残業代未払い問題?
4人目の社員は月220時間にも上る時間外勤務をしたにもかかわらず適正な残業代をもらえなかったという。今回、話題に挙がっている芸能事務所、LDHは「株式会社LDH」という法人ですので、「所属タレント」や「所属アーティスト」は別として、そこに勤務する方々はマネージャーも含め法律上の「労働者」となります。したがって、当然のことですが、残業が発生すれば残業代を払わなければなりませんし、命令することができる業務の内容にも限界があります。
労働基準法第37条に規定される割増賃金を支払わなければならなくなる延長された労働時間の労働時間とは、労働基準法第32条に規定されている法定労働時間である『1日8時間』、『1週40時間』を言います。また、同じく割増賃金を支払わなければならない休日とは、労働基準法第35条に規定されていて、原則的に『1週間に1日』の法定休日です。それ以外には割増賃金、いわゆる残業代を支払う必要はありません。
残業代を払わなければ6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることもあり得ますし、月45時間を超える残業は、たとえ会社と従業員の間で残業に関する、いわゆる「36協定」を締結していたとしても原則として違法となります。36協定を締結して管轄の労働基準監督署に届け出たとしても、無制限に残業をさせることはできなく、一定の限度基準『時間外労働の限度に関する基準(平成10 年労働省告示第154 号)』があります。
残業代の未払いは、会社が従業員に対して負う賃金支払い義務を怠る行為であり、民事上の責任が生じることは当然ですが、悪質な場合には刑事上の責任も生じ得る行為です。(労働基準法は、残業代の未払いについて刑事処分まで予定しています。)
厚生労働省発表によると、総合労働相談コーナーに寄せられた残業代の未払いに関する相談件数は106万7210件に上り、助言・指導申出件数も10,363件と1万件の大台を突破し、過去最多を記録しました。
(平成25年5月31日付「平成24年度個別労働紛争解決制度施行状況」)
このように残業代未払い問題は年々増加傾向にあり、深刻な社会問題となっています。あなたに支払うべきの残業代の計算は社労士に任せてください!
3.職種による労務管理問題?
今回、話題に挙がっている芸能事務所、LDHは「株式会社LDH」という法人ですので、「所属タレント」や「所属アーティスト」は別として、そこに勤務する方々はマネージャーも含め法律上の「労働者」となります。
ここで、芸能事務所の労務管理について興味を持っているでしょうか?芸能事務所では、様々な職種があるので、労務管理はどうやって行いますか?給料の支払い方法は何でしょうか?
まず、テレビに出るタレント、芸能人とその事務所の契約形態というのは基本的に2つしかないと思います。
1.タレント事務所の社員として、タレント活動を行うという労働契約を結ぶ方法。
2.タレントがマネージメント部分を事務所に委託するという、委託契約です。
労働契約か委託契約か、というのが芸能界でどれくらい気にされているかは知りませんが、結構違います。
労働契約の場合、いくらアイドルやお笑い芸人といえども、タレント事務所はタレントに対して、労働基準法に則った労務管理を行わないといけません。例えば、1日8時間以上労働させた場合、時間外手当をつけないといけないし、有給だって与えないといけないです。雇用保険や社会保険にも入れないといけません。
一方、委託契約の場合、タレント側は個人事業主ということになります。タレント側は事務所側に仕事を取ってきてもらう業務を委託し、事務所は仕事をもらってくる代わりにそのマージンをもらうわけですが、お互いの立場は、労使間のような主従関係はなく、対等です。
みなさんにとって身近な話題である芸能界のことを通じて、労務管理のことなどを少しでも理解してはいかがでしょうか。
労務問題のご相談は、社労士事務所までに!お客様の【やって欲しい!】にお応えするため、労務管理のお手伝い、社会保険・労働保険の事務代行、給与計算業務の代行、管理者や社員向け研修への講師派遣、人事評価・処遇・賃金制度導入のコンサルティング、助成金申請・活用診断・受給へのアシストなど、総務業務や企業経営のサポートを行っています。社会保険労務士 人事部サポートSRは、全力サポートします。
まだ、終わってないですよ!次回は4.長時間労働問題、過労死問題、ストレスチェック問題 5.採用問題について、述べます。ぜひ楽しみにしてください!!!
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