【ブームの裏側】ポケモンGO に潜む労務リスクとは?

ポケモンGOのブームに伴い、企業が打っておきたい対策をお知らせします 

ついに2016年7月22日に日本での配信がスタートした大人気アプリゲーム「ポケモンGO」!。

スマホを片手に街を歩くカップル、学生グループ、等人の集まるターミナル駅前や、観光地ではおなじみの光景に。本当にたった1週間足らずで社会現象になった感がありますね。

私(アラ40)もポケモン世代ではないながら、週末やりこんでレベル11になるまではやりましたよ・・笑。

「いろいろなところを歩き回らないとゲームが進まない」という今までにない特性が新鮮で、お店や近所のモニュメントや名所が「ポケストップ」として役に立つアイテムの入手場所になっているのですが、近所を散歩しながら、10年以上住んでて知らなかった史跡や名所を見つけたりして、想像以上に楽しめました。ブームになるのもわかる気がしましたよ。

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ただ、ここまでのブームとなると、ゲームの裏に潜む労務リスクが気になるのが、経営者、人事担当者の性(さが)ではないでしょうか。

そこで人事メディアでは、2つのリスクを取り上げてみました。

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 1.就業中にポケモンGO に熱中し、仕事放棄!

 終日オフィス内で仕事をしている職種であれば、ないでしょうが、外回りの営業職の社員では、熱中し過ぎて仕事がおろそかに・・・といった現象も起きそうです。これは通常の会社では就業規則の 「服務規律」の項目で「就業時間中は業務に専念すること」といった形で制裁とあわせて記載があることと思います。もし記載がない 場合は明示していおくことが必要でしょう。

 明示がされている会社でも、特に営業職が多い会社などはブームを鑑みて、注意や喚起を促すことも必要かもしれませんね。

 

 2.「歩きスマホ」で事故にあい「労災」!

「ポケストップ」を探すためやポケモンを見逃さないようにするため、ついついスマホの画面を見ながら歩きがちになってしまうのが「ポケモンGO」の特徴でもあり問題になっているところでもあります。実際に日本でも起きていますが、就業中に、不注意で車にひかれてけがをした・・その場合、労災になるのでしょうか。 労災は労働者の業務中や通勤途中におけるケガや疾病を補償するための公的保険で保険費用は企業側が全額負担。

労災保険で業務上のケガや疾病と認められるには「業務遂行性」と「業務起因性」の要件を満たすことが必要です。つまり、仕事中(使用者の支配下・管理下にある状態)であり業務との間に因果関係が認められなければ補償されないということです。この場合、本人はスマホでポケモンGO を見ていて事故にあった事は自分からなかなか言わないでしょうから、相手側の証言がない場合の事故などは労災認定となってしまうことも多そうです。労災費用負担以上に、従業員の方がけがをして仕事を離れてしまうことが一番の損失ですから、通勤時も含めて注意を促すことも職場によっては必要でしょう。

 

 まとめ 

  ブームになっているポケモンGOには、労務の観点からみた際にリスクが存在します

  • ゲームに熱中するあまり、就業中に遊んでしまい、仕事に支障をきたすリスクと、外回りの営業職の社員については、「歩きスマホ」で労災にあってしまうことのリスクです
  • 罰則等とあわせて、就業規則に明示しておくこと労災になる前に注意喚起を社内で促しておくことなど、リスク低減のための手を打っておきましょう
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    nagamachi

    社会的なニュースを労務的・人事的な観点からコメントし、「労務の世界の池上彰」をひそかに目指すアラフォー。マスコミにあこがれ新卒入社した出版社で担当したのはその筋(主に寺)で超局地的ベストセラーとなった「仏教語大辞典」。そのトラウマからかどうかはさだかではないが、たまにガンダーラ仏像に似ていると言われます。40過ぎても不惑どころか、108つの煩悩だらけの日々を過ごしています。

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