その交渉、騙されてます。ストローマン達からの護身術!!
交渉とは、特定の問題について相手と話し合い、取り決めをすることです。
ではその目的は何でしょうか?相手の利害に浸るだけの取り決めでよいのでしょうか?
なんのために取り決めが必要なのでしょうか?
放っておけば自分に損害が生じうる、あるいは得られるであろう利益を享受できない場合に、交渉する必要があるのではないでしょうか。
その利害の対象は金銭や時間に限らず、共に戦う仲間かもしれません。
negotiate と bargain
交渉を英語に直せばnegotiateとbargainになります。英語のnegotiateには上手く切り抜けるという意味もあり、bargainは「値引きする」、「値引きさせる」という意味すらあります。
上手な交渉は自分の利害と相手の利害をうまく調整し、欲しいモノを手に入れられます。
そこで今回は「交渉」とは似て非なるもの「説得」について考えたいと思います。
交渉で利益を出すためには相手にこちらの主張を納得させるだけの説得力が必要だからです。
とりわけ世に流通する説得術は、心理的なコミュニケーション方法や話術が多くみられ、もしかするとその手の手法は供給過多になり、常套術と化しています。
「お客様には特別に・・・」
「手のひらを見せよう!!」
「はいと三回言わせよう!」
「(商品やサービスを購入した)その後の生活をイメージさせよう!」
「○○しないで下さい」 などなど。
これでは交渉相手もきっと同じ手法を使うでしょうから、鵜呑みにすれば常套術の浴びせあい。
これでは型どおりに将棋を指しているようなものです。
結局、相手の手法には負けませんが、こちらもこの手法では勝てません。手を出し尽くしてからいざ本番です。
もちろん、こうした術は相手に気づかれずにできれば有効なはずです。
だからこそそうした術を紹介する方々は自信を持っておススメできるのです。
しかし『人を思い通りに動かせる』ような『悪用厳禁』の術を皆が使えるとすると、そうした人が二人出くわせば直ぐに矛盾します。
ですからこの度は視点を少し変えて、「守り技」をご紹介したいと思います。
知らず知らずのうちについつい説得させられてしまうが、実はめかけ倒しの穴抜け論理、つまり詭弁について紹介します。(※なお次回まで続きます)
詭弁は一見して説得力がありますが、それは見かけと迫力に過ぎません。
こちらが得なように持ちかけられても、それが嘘ならば後の祭りです。
今回と次回ではその詭弁の手口を暴き出し、相手を思い通りに動かすのではなく、相手の詭弁をnegotiateしようと思います。
今回のテーマ「藁人形攻撃」
この詭弁は世に言うストローマン論法というものです。
この論法は、一見こちらの論を反論しているようでも、実はこちらの論を意図的に曲解し「戦いやすく」してから反論しているのです。身近な例を挙げましょう。
詭弁屋さん 「今日飲みに行きましょうよ。」
交渉くん 「ごめんなさい。今日はちょっと飲みに行けません。」
詭弁屋さん 「なんだと!君はお酒飲まないんだな!?断酒しているんだな?!」
交渉くん 「いや、お酒自体を受け付けないのではなくて、今日は残業が残ってまして。」
詭弁屋さん 「なんだと!今日は残業なんだな!?夜の0時まで会社にいるんだな?!」
交渉くん 「いえ、今日に限って残業が多いという意味で、また次回でもよろしいですか。」
詭弁屋さん 「なんだと!断るのか?!私を拒絶しているのかぁ?!!嫌いなのか?!」
交渉くん 「そんなぁ。」
客観的に考えれば詭弁屋さんの言っていることは交渉くんの主張を理解した返答とは言えません。
またこの種のものは、詭弁屋さんの機嫌次第で、いくらでも交渉くんの台詞を曲解して反論できますので、きりのない長期戦になりそうです。
つまりこの詭弁に騙されないためには、長期戦を覚悟で「確かにあなたの言うとおりならばおかしな話です。
しかし、私の話とそれはここが違うんです」と補足することになるのでしょうか。
今回はここで終わらせて頂きますが、連続ものとして次回に、「性急な一般化」と「滑りやすい坂道」についてご紹介したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
内定者の五十嵐潤でした。(続)
参考URL
http://d.hatena.ne.jp/yosikazuf/20120427/p1
http://www.breaking-news-words.com/2015/03/blog-post_24.html
https://plaza.umin.ac.jp/kodama/bioethics/wordbook/slippery.html
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