『新人事』のための基本講座⑤ 年末調整、大解剖 その1!!

新人の人事 略して『新人事』のための基本講座第5弾です!

前回からの年末調整特集の続きです。
 
※前回を見ていない方はコチラ
 
今回は主に計算式について記載を行っていきます。
「毎年やってんよ!今更いいよ!」と言う方も落ち着いて。この機会にリマインドして頂ければ嬉しいです。
尚、こちらはあくまでも筆者個人のリマインド兼メモ書きのように進めていきます。
なので、詳細は国税庁が毎年出している『年末調整の仕方』冊子がやっぱり詳しいので、そちらをご参照願います。
さすがに、本家には勝てない。
(けどちょっとボリュームがあって全体が把握しづらいんだよね・・)
 

国税庁の『年末調整のしかた』パンフレット

平成26年分年末調整の仕方(平成26年9月25日(木)公開)
 
言わずと知れた国税庁のパンフレットです。
日本の人事担当のバイブル、年間を通してお世話になる必携のものとなります。
 
しかし、ちょっと検索に難あり。
そこで筆者はこんな感じにしています。(クリックで拡大)
年末調整の仕方パンフレットラベル付
 
「いや、普通だろ。」とおっしゃる方、お黙りなさい。
初めはちょっと手間ですが、やっているとやっていないでは雲泥の差。
年間通しての時間短縮につながる、これこそが “ちょっとした知恵” なのです。
 

年末調整の計算方法

さて次は、いよいよ年末調整の計算方法について記載していきます。
 
今回は特に計算ロジックに重点を置くため、多くの会社ではおそらく給与システムなどで自動計算されている内容について記載します。
「システムがやるので我関せず」の方は悔い改めてください。システムが急に壊れるような異常事態であっても、給与と年末調整は予定通り行う必要があります。
なので、最終的には全て手計算でもできるという状況であればこそ、腹がくくれるというものです。
 

源泉徴収票と源泉徴収簿

この2つの言葉は聞いたことがありますでしょうか。
それぞれ、下記のような概要となります。
 
・源泉徴収票 :会社が本人に配布する、年末調整の結果をまとめた書式
国税庁HP『平成  年分 給与所得の源泉徴収票(PDFファイル/344KB)
 
・源泉徴収簿 :年末調整の計算をわかりやすくするため、作成された書式
国税庁HP『平成26年分給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿(PDFファイル/175KB)
 
源泉徴収簿白紙
とりわけ源泉徴収簿は、法令の定めはありませんが、作成しておくと計算過程がわかりやすいものであります。なので今回はこの源泉徴収簿を例に説明を行わせて頂きたいと思います。
 

計算式について

基本的な計算式は以下になります。(源泉徴収簿の右側になります。)
※番号は源泉徴収簿の該当番号になります。
 
⑦ 給与と賞与の総支給額(年内に前職があれば前職での総支給額を含める)
- ⑨ 給与賞与の総支給額に応じた、控除額 ※『年末調整の仕方』のパンフレット参照。
- ⑩~⑫ 社会保険料控除額 ※納めた社会保険料(雇用保険込)が多いほど源泉税が少ない。
- ⑬~⑭ 生命保険、地震保険等の各種保険 ※保険の金額が多ければ源泉税が少ない。
- ⑮ 配偶者特別控除 ※配偶者は、税法上の扶養にならない場合でも収入によっては優遇あり。
- ⑯ 税法上の扶養人数に応じた、控除額 ※養う家族が多いほど源泉税が少なくなる。
 
⑦ -(⑨~⑯) = ⑱ = 課税給与所得額  ※1,000円未満切捨
⑱ × 課税所得給与額に応じた料率 = ⑲  ※『年末調整の仕方』のパンフレット参照。
 
⑲ - ⑳ 住宅借入金等特別控除 = ㉑ ※住宅購入をローンで行えば大幅に額が小さくなる。
㉑ × 102.1% = ㉒ 本当の源泉所得税額 ※102.1%は復興所得税分。100円未満切捨
 
㉒ - ⑧ 毎月の給与賞与で集めた所得税総計 = 年末調整還付金
 

まとめ

ふぅー
計算式を淡々と書いただけで少し疲れちゃいました。
うーん、見なおしていてもこれだけではちょっとわからんですたい。
 
計算式のポイントは、大きく2つあります。
1つ目は、2回ほど『年末調整の仕方』パンフレットの中にある表から、控除金額や料率を算出しているところです。
 (⑨と⑲の計算が該当します。)
2つ目は、⑲で一旦計算し終わった税額から⑳の住宅控除の金額を差し引いていることです。
 (算出後から引いているため、かなり大きなインパクトになります。)
 ※住宅控除がある方は、多くの場合は源泉所得税の徴収が0円になることが多いです。
 

This story is to be continued.

次回は、具体的に実務で行うところを載せていきます。(扶養控除申告書を考えています。)
みなさんがなんとなく「ふーん」と言って頂けたならば幸いでございます!!
 
いかがでしたでしょうか。
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