たったこれだけで?! 驚くほど相手のモチベーションを落とす4つのコミュニケーション
今回は、何かと社内コミュニケーションの多い人事部の方向けに、相手の話す意欲を劇的に下げてしまう話し方をご紹介いたします。もしかしてあなたもやってしまっているかも?
この話し方さえしないように意識できれば、それだけで気持ちのよいコミュニケーションをとることができます。5つの中には、ややもすればやってしまいがちな話し方も含まれています。普段の話し方と比べてチェックしてみましょう!
1.「なになに?何の話?」会話の主導権を無理やり握ろうとする
まずは、こちらの話し方です。複数人で会話をしているときに、それまで会話に参加していなかったにも関わらずいきなり会話の流れに割って入ろうとする人はいませんか?
よく使われるフレーズは「なになに?何の話?」です。なにやら楽しそうな雰囲気を嗅ぎ付け、自分も混ざりたくて何の悪気もなくやってしまうようです。目立ちたがり屋に多い話し方と思いますが、それまで気持ちよく流れていた会話に急に割って入られた側としてはどうでしょうか。
割って入ってきた人のためにそれまでの会話の内容を説明しなければならず、会話のテンポは駄々崩れです。楽しかった雰囲気は一気にしぼんでしまいます。
さらには、割って入った上に自分のイメージで好き勝手に話を始め、会話の流れを散らかして去っていく人もまれに見受けられます。その場の雰囲気はもはや焼け野原です。
会話に入る際には、いきなり割ってはいるのではなく、その場の流れにそっと軟着陸するように心がけてはいかがでしょうか。
2.自分の話しかしない ~STOP!!会話泥棒~
会話泥棒とは、相手が話している事に関心を持ってもっと聞こうとするのではなく、話されている内容に近い自分の持っている知識や経験を話してしまう人のことです。
「おれもそういうことあった」「そうなんだ、あたしもこの前・・・」などと切り出し、トークのスポットライトをあっさりと盗んでいきます。さまざまなことに好奇心が旺盛で知識欲のある人に多い話し方のようです。こういった話し方をされた人にしてみれば、いかがでしょうか。
たとえば、自分の経験からくる気づきを話していたときに会話泥棒をされた場合、話していた人にとっては共感もされず関心を示されなかったうえに、あたかも自分も知っていたかの様に自分の経験に照らして気づきを盗られるわけです。「そんな浅い経験と一緒にするな!」と思っているに違いありません。
また、相手の話に類する知識を披露しようとする場合には、披露された知識に対して、たいていの場合「へ~」「そうなんだ」といった反応でその場の雰囲気がしぼんでしまいます。そうなると知識を披露し続けるか、話題を変えるかのいずれかになってしまい、いずれにせよその場の雰囲気はしぼんでしまいます。
相手の話を「きく」という漢字には「聞く」「訊く」などいくつかのパターンがありますが、会話泥棒さんは「聴く」という漢字を意識してはいかがでしょうか。「聴く」という字を分けて考えてみると、耳と目と心で成り立っています。つまり、相手の話に対して耳だけでなく耳と目と心という全身全霊を傾けてみましょう。
3.愚痴、陰口
企業で働いていれば、誰しも愚痴や陰口はあるでしょう。その愚痴や陰口をどこでどのように発するかがポイントだと思います。
よくあるケースとして、働いて疲れてきた夜に愚痴や陰口を発していることが多いのではないでしょうか。「あの○○は何もわかってない」「こんなに頑張っているのに給料が低い」など、いつも聞かされている側からすると、気がめいってきてしまいますし、愚痴ばかり言う人には関わりたいとも助けたいとも思いません。
会社内で発するメリットはあまりないと思います。思い切って先輩や同期を誘って食事に出てみましょう。
4.適当な勇気付け「ま、終わったことだから!」
仕事上で何か失敗をしてそのことを気にしたり後悔したりしているメンバーがいたとします。「がんばれ」「次があるさ」など、一見、励ましているように見えるようで、その人の立場にたった励ましになっていないことがあります。
相手との関係性にもよりますが、励ますことに責任を持つのであれば、失敗をした本人が自分で前向きな考えにいたるまで側で併走する事が望ましいと思います。
冒頭のように「終わったことだから」と一方的に片付けられては、振り返りも何もあったものではありません。あくまでも、本人のペースに沿った自発的な腹落ちを起こさせることがポイントであると思います。そのためには、相手の話を聴く、質問をする、俯瞰して言い換える、具体例を出すなどといった方法があると思います。
立場にもよりますが「ま、終わったことだから!」などといってしまった日には「だめだこいつは。。」とも思われかねません。
人事部はときおり「人事(ひとごと)」の部署だ、なんて呼ばれ方をしますが、決してそんなことはないと思います。
今回ご紹介した話し方ばかりをしているとしたら、確かにひとごとの部署になってしまいますが、人事部は会社の中でも人についての唯一の部署で、規模によっては人事部を持たない会社もあります。持たなくてもよい部署をわざわざ持ち、会社組織で働いている人について考える専門の部署として構えるわけですから、その意義は見過ごせないと思います。
人に接する機会の多い人事の方へぜひご参考いただければと思います。
堀越 敬太
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