【最新情報】学生視点・企業視点から見る 2017年卒新卒採用【10月調査結果】

2016年も11月となり、今年も残り2ヶ月となりました。新卒採用においては、ほとんどの学生が就職活動を終え、企業側も来年度に向けた採用活動をはじめつつあります。もう既に2018年インターンシップの実施を始めている企業も多いのではないでしょうか。一方で、採用予定数を充足させるため、年内は2017年卒の採用活動を継続する企業もいらっしゃいます。

 

目標人数達成の対策を立てるた上で、そして来年度の採用計画を考える上でも、今年度の採用状況を正しく把握することは不可欠。そこで今回は、2017年卒の学生の現状に関する調査企業の採用活動状況に関する調査をまとめ整理していきます!

 

2017年卒新卒採用 ~学生の就職状況の現状~

 

株式会社リクルートキャリアの研究機関『就職みらい研究所』が、リクルート就職活動モニターの大学生・大学院生を対象に実施した「就職プロセス調査」では以下のような結果が出ています。
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2016/161026-01/

(株式会社リクルートキャリア)

 

10月1日時点での大学生の就職内定率は90.6%

内定率

 

10月1日時点での就職内定率は、9月1日時点の86.6%から4.0ポイント高まり、90.6%となりました。90.6%という数字は、前年2016年の10月の85.9%と比べると、4.7ポイント増加しています。

今年度の新卒大学生は、10月の内定式を迎える時期に、9割の学生が少なくとも1社は内定を持っていた、という事になります。

 

10月1日時点での大学生の進路確定率は86.1%

決定率

 

次に、持っている内定の中から卒業後の進路を決定し、就職活動を終えた割合を示す

『進路決定率』を見てみます。

10月1日時点での進路確定率は、9月1日時点の81.1%から5.0ポイント高まり、86.1%となりました。86.1%という数字は、前年2016年の10月の77.1%と比べると、9.0ポイント増加しています。

 

今年度の採用スケジュールの影響が顕著に見て取れるのは、7月・8月の進路決定率の差です。昨年の進路決定率と比べて、30%以上もの差があり、採用を早々に終わらせる学生が多かったことがデータに表れています。

 

就職活動期間を短くし学生生活への支障を軽減する、という経団連のそもそもの目的は一見果たされたようにも見て取れますが、学生側にとっても企業側にとっても、この短い期間でどれ程満足のいく就職・採用活動ができたのか、という点には疑問が残ります。

 

2017年卒新卒採用 ~企業の採用状況の現状~

次に、企業側の現状を見てみましょう。

株式会社DISCOが、10月初旬時点での2017年度の採用活動状況について、全国の主要企業16,912社を対象に調査したデータがございましたので紹介しています。

 

http://www.disc.co.jp/pressrelease/detail/corp201610-4439.htm(株式会社DISCO)

 

10月1日時点で 今年度の採用を終了している企業は 57.6% 充足率は79.9%

終了

10月1日の時点で、今年度の採用選考を「終了した」企業は全体の57.6%。内定式を迎える10月初旬のタイミングでの終了率は半数を超えました。昨年2016年の10月1日時点での43.6%と比べると14ポイントも増加しており、選考解禁が昨年より2 カ月早まった分、採用終了企業が増えた様子が見て取れます。

 

充足率

 

採用予定数に対する実際の内定者数の割合を「充足率」という言葉で表しています。

充足率は79.9%で、採用選考終了率と同様に、昨年度の実績(71.2%)を8.7ポイント上回りました。今年の6 月下旬から7 月初旬にかけての調査では、充足率は59.4%だったので、8月・9月でで20 ポイントほど上昇したことになります。従業員の規模別にみると従業員規模が大きくなるにつれ充足率も上がっていることが分かります。大手企業(86.8%)と中堅企業(80.9%)が8割を超えている一方で、300 人未満の中小企業では7 割にとどまっています。

 

 

内定辞退のピークは6月

 

時期グラフ

 

内定時期について、「内定出しのピーク(最も多くの内定を出した時期)」「内定辞退のピーク(最も多く辞退があった時期)」を尋ね、「内定出しの開始」時期と重ねて比較しています。

まず「内定出しの開始」は4 月から6 月にかけて分散していますが、「内定出しのピーク」は6 月が最も多く(38.8%)、6月1 日の選考解禁のタイミングで内定出しを本格化させた企業が多かったことが伺えます。同時に学生の意思決定が急速に行われた結果、一気に内定辞退が出て、「内定辞退のピーク」が6 月に集中し、51.8%と過半数に達してしまいました。

 

この現状を踏まえると、選考・内定出しのピークを迎える6月に、同時に内定辞退を軽減させるための内定者フォローにも力を入れなければならないことのなります。

2018年卒の新卒採用も今年度の採用スケジュールと変更がない以上、来年度も短期決戦の採用活動となり、十分な採用計画を立て十分な準備をしなければ内定辞退率は下がることはないと考えられます。

 

 

まとめ

今年度の新卒採用の現状について、学生の視点・そして企業の視点から振返ってみましたが、いかがでしたでしょうか。

 

採用活動の振り返りは、数値の洗い出しだけがすべてではありません。採用計画・目標に対しての実績の検証・反省、採用した学生の質の見直し等、単純なデータでは表れない部分こそ、その企業にとっての価値のある振り返りかもしれません。ただ、今回のように全体としての動向を振り返ることによって、全体と比較した際の自社の採用を捉えることができるようになりますので、一度目に見えるデータを綺麗に整理することも必要でしょう。

 

そして、これらのデータを整理するだけでも見えてくる課題はあります。今回は現状をまとめるだけに留まりましたが、次回からは今年度の採用の課題とその解決策についてまとめていきますので、お楽しみに!

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大石夏実

新卒採用業務の経験を積んだのち運用Gへ異動。大小様々な規模の企業の社会保険手続き等に携わりながら、もっと深堀したいこと、より詳しく紹介したいことを記事にしていきます。

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