元マッキンゼー採用マネージャー著「採用基準」とはなんだったのか 

こんにちは。今回は、チーム内でのリーダーシップとフォロワーシップについてお話ししたいと思います。

 

 

「採用基準」からみたリーダーシップとは

 

初めに「採用基準」という本をご存知でしょうか。この本は、外資系戦略コンサルのマッキンゼーで12年間、採用マネージャーを務めた方の著書です。一見すると、マッキンゼーの採用基準について書かれている書籍かと思われがちですが、中身はリーダーシップとは何か、という事について書かれています。

 

この本によれば、リーダーシップはチームを構成する全員に求められるものであり、成果に向かって必要なことを行う力、すなわち「目標を掲げる」「先頭を走る」「決める」「伝える」という4点に集約されると定義づけています。

 

リーダーシップというと、ガキ大将のように大きな声でメンバーを先導するイメージや、限られた人材だけがもともと持っている力と思いがちかと思いますが、ここではもっと小さな行動や日常の場面でもリーダーシップを見つけることができるとしています。

 

私も、この本を読むまでリーダーシップとは自分にはない一部の人にしかない力で、大きな舞台で多くの人を動かすようなものと考えていました。しかし、たとえば次のような行動でもリーダーシップはあると、今は考えています。仕事で打ち合わせを行うような場面で、最初に話し出し、他の参加者が案を出しやすいようにしたり、会議が煮詰まってきたときに議論の流れを整理する行動は、結論を出すという会議の成果に向かって他の参加者を引っ張っていくリーダーシップだと思います。

 

また、議論が走り出し、互いに意見が出るようになったときには、自分の意見に刺激されて他の参加者が意見を言う場面や、また他の人の意見に触発されて発言をするという場面があると思います。会議でのこうしたやり取りの中では、瞬間瞬間で互いが互いを引っ張っていくという小さなリーダーシップの積み重ねで、会議体という一つのチームが結論という成果に向かうのだと思います。

 

 

リーダーシップと対になる「フォロワーシップ」を見つけよう

 

「採用基準」の中では、成果に向かって必要なことを行うリーダーシップはメンバー全員に必要としていますが、一方でチームの中で「フォロワーシップ」を発揮するメンバーの存在も不可欠であると思います。

 

たとえば、次のような場面を考えてみます。社内の取り組みで数値目標を達成するため、メールで社内に情報提供を呼びかけた人がいるとします。当然、この呼びかけた人はリーダーシップを発揮しようとしている人となります。一般的に、なかなかこういったメールに返信をする人は少ないと思いますが、ここである一人が最初に情報提供のメールを返信したとします。すると、これに続いて他の人も2番目、3番目とメールを返信しだすといいう事があります。返信を最初にした一人は、情報提供を呼びかけた人のリーダーシップに応えて、自分もチームの一員として成果に貢献しようとしたのだと思います。

 

この最初に返信をした人がいなかったら、そのあとの2番目、3番目の返信はなかったかもしれないと考えてみると、最初に返信をしてリーダーの呼びかけを支える存在となった人の価値は無視できません。チームで成果に向かえている場面を考えてみると、メンバーを引っ張るリーダーとそれに応えるフォロワーという二つの役割が見つけられるのではないでしょうか。

 

 

チームの成果にコミットするメンバーを

 

チームとは人の集まりですので、チームの組み合わせによって誰がリーダーとなるか、フォロワーとなるかは様々あると思いますが、チームの成果に向かう中ではリーダーとフォロワーという二つの役割があると知っておけば、いま自分はどちらの役割を担うべきかというアクションの軸ができ、チームに貢献できるメンバーを持つことができると思います。

 

もし、リーダーシップを発揮することは自分には難しいと考えている部下や後輩が周囲にいるとしたら、無理にリーダーシップを発揮する必要はなく、小さなことでもよいからチームに対して自分ができる発言や行動をしてはどうか、とアドバイスしてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

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堀越 敬太

給与計算、社会保険手続にて3000名から100名までの規模を経験し業務フローの改善に従事する傍ら、社内研修の運営にも参画。人事情報のトレンドをお届けいたします。

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